急増する「レイプドラッグ」被害女性3人の叫び 16歳で被害「いっそ殺されたほうがよかった」
性暴力救援センター東京によると、
「薬物を使用した性犯罪は以前からあります。数としては変わらないと思いますが、いろいろなところでレイプドラッグが話題になることで被害者本人の認識が変わり、告発しやすい雰囲気ができあがってきたのだと思います」
と解説。
前出の藤本さんも、
「テレビなどで同じような被害者がいることを知って勇気をもらいました。私も自分の経験を話すことで、ひとりでも多くの被害者を少しでも楽にできたら、と思いデモに参加しました」と述べ、つらい記憶を振り返った。
「被害に遭ったのは2年前の夏です。相手は仕事でかかわりのあった50代の男で、ちょうど休職中の私に、いい条件の仕事をちらつかせて誘ってきました。以前からの知り合いということで疑う気もなく食事に応じました」
1軒目はレストランで仕事の話をし、盛り上がったという。しかし、藤本さんは2軒目以降の記憶がぷつりと途切れてしまう。
「お酒は強いほうなんですが、2軒目でビールを飲んでからの記憶がないんです。1軒目は仕事の話ということもあり、お酒を飲まなかったので、飲んだのはビール1杯だけです。普段はビール3杯以上飲んでも酔いません。日本酒もワインも平気で飲めるのにおかしいですよね」
気づいたときには、見知らぬホテルのベッドに裸で横たわっていた。隣を見ると50代の男が裸でいびきをかいていたという。
「ゾッとしました。何が起きたのか本当にわからなくて、頭はボーッとしていてとにかく恐怖でこの場から離れなくてはと思って急いで服を着て逃げるようにホテルを出ました。動悸がずっと止まらなかった」
ぬぐえない恐怖
藤本さんは取材中、何度も後ろを気にする様子を見せ、誰もいないとわかると安心したような表情になった。
「あれ以来、男性が近づいてくると怖いんです。だって相手は本当に普通の人のよさそうなオジサンだったんです。何をされたか本当に何も覚えてなくて、でもなかったことにはできなくて。今思えば勇気を出して警察とかに行けばよかったのかもしれない」
藤本さんは、男と1対1で会ってしまった自分を責めている。
「警戒すればよかった。やっぱり自分の落ち度を探してしまうんです。それで自分を責めては嫌になって、の繰り返しです」