大丸心斎橋は「浪速のギンザシックス」になるか 86年ぶり建て替え、飲食充実で訪日客狙う

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
建て替え工事中の心斎橋店。本館は今年9月開業。北館も2021年をメドに改装オープンする(記者撮影)

「これはお客さんをかなり持っていかれるな」

新しい店舗の施設概要を見た、ある大阪の大手百貨店幹部はそう言って警戒感を強めた。

大丸松坂屋百貨店は9月20日に、大阪市心斎橋に構える「大丸心斎橋店 本館」を建て替えオープンする。建て替え工事は実に86年ぶり。投資額は372億円で、完成後の売り場面積は約4万㎡と旧店舗よりも約3割拡張される。建物の地下3階から地上11階までのうち、地下2階から10階までを売り場とする。

心斎橋店は約300年間、営業してきた

同店舗に隣接する北館も大規模リニューアルを計画しており、2021年春をメドに、同じグループのパルコが入居して竣工する予定だ。本館と北館を一体化した運営を目指す。

「世界に通用する百貨店の進化形を示したい」。6月11日に大阪市内で行われた施設概要を説明する会見の席上、大丸松坂屋百貨店を運営するJ.フロントリテイリングの山本良一社長は力を込めた。

心斎橋店は、J.フロントにとって重要拠点のひとつだ。1717年に京都伏見で創業した大丸が、心斎橋で呉服屋を開業したのが1726年。大丸心斎橋店はそこから約300年間、この地で営業してきた。

歴史的価値が高いというだけでなく、経営戦略においても大事な拠点だ。同社は店舗を核にエリアを活性化する「アーバンドミナント戦略」を標榜しており、心斎橋、神戸元町、京都烏丸、名古屋栄、上野御徒町の5つを重点地区と位置付けている。

J.フロントは、旗艦店舗である心斎橋店本館に「ギンザシックスの成功を注ぐ」(大丸松坂屋百貨店の好本達也社長)ことで、国内外の顧客を集客する構えだ。

次ページギンザシックス特有のビジネスモデルとは
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事