「格安葬儀パックで義母弔った」55歳女性の後悔 「3度目の葬儀」でようやく満足できた理由

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流通大手のイオングループのイオンライフも、「イオンのお葬式」というブランドで格安葬儀パックを販売しています。

「格安葬儀パックを利用したくない」と思った理由を、晶子さんはこう語ります。

「私が選んだ格安葬儀パックだと、どの葬儀社になるか当日までわからなかったんですね。結局、自宅から20キロ離れた葬儀式場に安置することになって、義母に悪いことしたな、と思っています。スタッフの対応は悪くないのですが、格安葬儀パックのせいか、ご提案なんですが……とオプションの話ばかりしてくるので疲れました。

それに50万円ほどで追加費用は一切なしとあったから選んだのに、食事や香典返しは別なんですね。よく考えればわかることですし、後でみたら確かに表示もあったのですが、小さく書かれていたためにきちんと読んでいませんでした」

誤解のないよう補足すると、ネット系の葬祭業者すべてが悪いわけではありません。提携する葬儀社は基準を満たした業者に限定しているので、施行そのものの質は一定レベルを保っています。また、「土地勘がない」「地域の葬儀社情報がない」状況では、上手に利用すれば使い勝手のいいシステムではあります。

しかしサイト上では、後に発生するであろう追加料金を表示せず(もしくは小さく表示)、「全国統一価格」「追加料金なし」など実際とは異なるキーワードで集客してしまっているために、葬儀の打ち合わせ段階で「ネットに書いてあった情報とは違う」と現場に寄せられる苦情が多く問題となっています。

また今回のように、全国展開といっても提携葬儀社では網羅しきれない地域があることも告知していません。「近くには提携葬儀社が使える葬儀式場がなく、数十km離れた場所で葬儀を行うことに。その式場はかなり豪華で追加料金が発生した」という例も、過去にはありました。

トラブル続出の「ネット系葬祭業者」

ネット系葬祭業者の表示に対するトラブルは後を絶ちません。これまで2017年12月にイオンライフ(「イオンのお葬式」など)、2018年12月にユニクエスト(「小さなお葬式」「小さな火葬式」など)、2019年6月によりそう(「よりそうのお葬式」など)に景品表示法違反行為が認められ、それぞれ消費者庁より措置命令が出されています。

またイオンライフは、2019年4月に景品表示法違反で課徴金179万円の納付が命じられています。いずれも、実際は追加料金が発生するにもかかわらず、それぞれ「追加料金一切不要」「定額」など、表示された料金内で可能とうたっていることが問題視されたことによるものです。

よく考えてみれば、ウェディングでも全国一律同じ価格であるはずがないのに、葬儀だけ「全国展開」「追加費用なし」でパッケージ化できるのはおかしな話です。

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