25歳で巨人1軍出場を掴んだ男と妻の下克上物語 異色の経歴を歩んだ徳島出身の増田大輝選手

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そんな2人の運命の出会いは20歳の時。共通の知人の紹介で知り合った。

「ダイくんは、野球をやっているところが魅力的で、野球に関してたくさん話をしてくれました」

増田選手との出会いを、優香さんはそう振り返る。実は優香さんは、根っからの野球少女だった。

優香さんは増田選手と同い年の25歳。大の巨人ファンの父に連れられて宮崎キャンプに何度も足を運ぶほど、野球に親しんでいた。高校卒業後、地元徳島の会社に就職し、野球部のマネージャーに立候補。休日返上だったが、大好きな野球にたずさわれることが何より嬉しかったという。

いっぽう、増田選手は地元徳島の強豪校・小松島高校でキャプテンを務めていた。近畿大に進学して野球を続けるも中退。その後は鳶の仕事に就いた。平日は建築現場で働き、土日は草野球という生活は、本人にとっては充実感のない日々だった。

野球で引き寄せられた2人は、交際をスタート。このとき、増田選手は、もう一度野球に人生を懸けようと考えていた。そして、優香さんにこう伝える。

「今度独立リーグの入団テスト受けるんよ」

2013年12月、増田選手は独立リーグの入団テストを受験した。

結果は……見事合格。徳島インディゴソックスへの入団が決まった。193人の受験者のうち、24人が合格という狭き門を見事にくぐり抜けた。

増田選手と優香さんの夢が重なった瞬間

増田選手は結果をすぐに優香さんに報告した。仕事を辞め、野球に専念すると熱く語る増田選手に、優香さんは触発された。幼い頃からの夢を、増田選手になら話してもいいと思えた。

「わたし、プロ野球選手の奥さんになって支えたいと思ってたんだ…」

幼少期から野球に親しみ、マネージャーを経験した優香さん。愛する人を支えることに全力を尽くすと心に誓った。

増田選手と優香さんの夢が重なった瞬間だった。こうして、二人三脚で夢を追いかけることになった。

優香さんは仕事後、疲れていても毎試合のように増田選手の応援に駆けつけ、スタンドで声を張り上げた。

さらに、地元新聞の増田選手を取り上げた記事を、どんなに小さくても集めた。

献身的な優香さんに支えられ、増田選手は1年目からレギュラーを掴み、大活躍。この年のリーグ優勝に大きく貢献した。

「このまま頑張れば、プロ野球選手も夢じゃない」

2人はよりいっそう、夢への想いを強くした。

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