ランキングの前に、企業のガバナンス体制の違いについて説明する。まず、日本のガバナンス体制で最も多いのは監査役(会)設置会社であり、取締役と監査役がそれぞれ選任される。指名委員会等設置会社は、取締役会の中に指名・報酬・監査を司る3つの委員会を設置し、よりモニタリングに特化した形態である。
監査等委員会設置会社は、取締役会の中に監査等委員会を設置し、経営のモニタリングを行う。この体制は社外取締役の人数などによって柔軟な運用が可能であり、監査役(会)設置会社から移行する企業が増えている。委員会型の会社には監査役がおらず、取締役が各委員を務める。
社外取締役比率が2割に達しない企業は8社
それではランキングを見てみよう。ランキングの結果、社外取締役が3分の1未満の企業は63社あった。うち、社外取締役比率が2割に達していなかったのは8社だった。また、業種別にみると小売業が17社と全体の4分の1以上を占めて最も多く、次にサービス業(7社)、卸売業(5社)、情報・通信業(5社)が多かった。
今回採用した算定指標によるランキングで、最も社外取締役比率が低いのは業務用厨房機器大手のホシザキ(13.3%)で役員15人中2人が社外取締役であった。同社は2018年秋に販売子会社のホシザキ東海で不適切取引が発覚し、子会社社長も解任された。有価証券報告書の提出延期を繰り返すなど、ガバナンスの機能不全を露呈させている。
2位ネットサービスのGMOインターネット(15.8%)は、否決されたものの前回2017年12月期の定時株主総会で香港投資ファンド、オアシス・マネジメント・カンパニーから、代表取締役の在任期間の長さと、代表取締役が大株主であることが、ガバナンス上問題があるという理由から、株主提案として指名委員会等設置会社への移行を迫られた過去がある。
3位のプラスチックフィルムと建装、産業資材製造のオカモト(16.7%)は18人中3人で3月期決算企業では最低となった。同率3位には産廃処理大手のダイセキ(16.7%)が、5位には食品スーパー運営のバローホールディングス(17.6%)、6位には石油給湯器大手の長府製作所が並んでいる。
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