丸ノ内線「方南町駅」、本線直通で何が変わるか 始発列車が増え、乗り換え駅での混雑緩和も

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2番出口については東京メトロが2017年2月から5年間限定で、「駅周辺開発における公募型連携プロジェクト」の第3弾として、押上駅、根津駅とともに開発提案の募集を開始している。

立ち食いそば店が移転した後の2番出口(筆者撮影)

このプロジェクトは鉄道インフラ整備推進の新しい取り組みとして2016年4月からスタートしており、バリアフリー施設の整備実施を検討する駅について、隣接する土地・建物所有者をはじめ、開発などを計画している人々や事業者からの開発提案を募集するというものだ。

方南町駅2番出口で言えば、現状では階段の脇にあった立ち食いそば店が移転しただけで、それ以外に動きはない。水面下では折衝が続いているのかもしれないが、直通運転開始後のプロジェクトになった。

街並みにも変化が

ただしそれ以外の街並みには一部変化が起こっている。2番出口の近くには大きなマンションが建設され、商店街では飲食店の入れ替えが頻繁になった。直通運転がもたらす影響は大きいと改めて感じている。

駅周辺ではマンションが建設中(画面左奥)。街並みも変わりつつある(筆者撮影)

こうして工事の推移を見守りながら、気になっていたのは直通運転開始後、方南町駅始発が何本ぐらいになるかということだった。以前から、日中3本に1本の割合で存在する新宿駅行きが方南町行きになることは噂されていたが、朝夕についてはさしたる情報がなく、従来どおり中野富士見町始発が基本ではないかと思っていた。

だからこそ東京メトロのニュースリリースを見て驚いた。これまで朝7~8時台の2時間に18本あった中野富士見町駅始発列車が、改正後は方南町駅始発12本、中野富士見町駅始発6本と2:1の比率になるからだ。平日朝の時刻表を見ると、6~7時台は中野富士見町駅始発も残るが、8~9時台はすべて方南町駅始発になっている。

予想以上の方南町駅始発直通列車の多さに住民のひとりとして喜んだが、この2:1という比率、方南町駅と中野富士見町駅の乗降人員に比例したものでもある。

東京メトロが発表した2017年度の乗降人員ランキング(他鉄道との直結連絡駅および共用している駅の乗降人員は順位から除く)で丸ノ内線支線各駅を見ると、中野新橋駅が2万596人で全130駅中124位、中野富士見町駅が1万9481人で125位なのに対し、方南町駅は3万7224人と格段に多く、101位となる。

ちなみに100位は新高円寺駅、102位は東高円寺駅で、新中野駅は104位、南阿佐ヶ谷駅は117位と、中野坂上駅以西の本線の駅と同レベルにあることがわかる。

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