京丹後市「上限200円運賃」は地方交通の革命か 補助金をうまく使えば利用拡大が期待できる
地方の公共交通の運営が厳しくなった際に、運賃の値上げを行うことはよくある。最近でもJR北海道(北海道旅客鉄道)と北陸鉄道が、今年10月に予定される消費税増税に合わせた値上げを発表している。
相次ぐ地方交通の値上げ
JR北海道は100キロまでの区間については、距離をいくつかの区分に分割し区分ごとに運賃を定める「対キロ区間制運賃」を導入することになり、現状170円の初乗り運賃は200円、210円区間は250円などとなる。101〜200キロの区間は1.1%程度の引き上げになるという。それ以上の距離区間や特急料金は据え置きとなるが、平均引き上げ幅は消費増税分と合わせて11.1%を予定としている。
北陸鉄道では普通旅客運賃(大人)で13.153% 定期旅客運賃で13.464%の引き上げを予定している。初乗り運賃は140円から160円、220円区間は250円、290円区間は330円となり、最高運賃は500円から550円になる予定だ。
どちらの鉄道事業者も値上げの理由として、利用者減少による厳しい経営環境を挙げており、地域移動の維持のために値上げを選んだ。このような考え方は日本の公共交通では一般的であるが、値上げによってさらに利用者離れが起こる可能性もある。
そんな中、大胆な値下げを断行したことで、利用者が減少から増加に転じただけでなく、事業者の収益も上がった事例が、京都府の最北端に位置する京丹後市にある。
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