日本企業が今するべき「生産性向上」3ポイント

「やらない仕事」を決めることが超重要なワケ

3.すべての従業員がやらないことを決め、本当にやらない

もう1つ、ROIの成果に着目して、生産性を高める大切なポイントがあります。

それは「やらないことを決める」ことです。つまり、成果が小さい仕事をやらないということです。よくある話と思われがちですが、本当にこれを実践できているでしょうか。

目の前にたくさんの仕事がある。どれから手をつけてよいかわからない。あるいは、ある仕事をしている途中で、別の仕事がやってくる。どれを優先するのか決めかねているうちに、時間だけが過ぎていく。「あぁ……1日が48時間くらいあればいいのに」「私の仕事の優先順位、誰か決めてくれない?」、そのようなことを思った経験はないでしょうか。

ところが周りを見渡すと、段取りよく仕事をこなす先輩社員や同僚社員がいることに気づくかもしれません。そこで段取りのよい先輩に相談してみます。すると、「仕事の優先順位をつけなさい」とアドバイスをしてくれることが多いようです。やるべき仕事をリストアップして、優先順位の高い仕事から取り組むようにアドバイスされるわけです。

本当に正しい優先順位なのか

大半のビジネスパーソンは、(正しく)優先順位をつけずに仕事をしています。「そんなことはない」と思うかもしれませんが、事実です。もちろん、本人独自の優先順位があるケースもあります。例えば、依頼を受けた順番、急ぎの順番などを優先順位として仕事をしている人です。これらもある意味優先順位ですが、これは正しい優先順位でしょうか。

もちろん、あなたがアシスタントや新入社員であれば、依頼を受けた順番で、段取りよく業務をこなすことで十分かもしれません。しかし、あなたが社会人歴数年以上のビジネスパーソンで、依頼された順番、思いついた順番、気づいた順番に仕事をしていたとすれば、それは順番をつけただけで、本来の意味での正しい優先順位はつけられていないといえるでしょう。

正しい優先順位をつけることができれば、仕事の生産性は少し向上します。しかし、それだけでは、その効果は限定的です。もちろん優先順位をつけないよりは、つけるほうが生産性は向上します。

しかし、繰り返しになりますが、優先順位をつけるだけでは、あなたの生産性は大きく向上しないのです。優先順位を決めるだけだとすると、優先順位の低い仕事も結局は「やる」からです。つまり、優先順位の低い仕事に対しても、あなたは限りある時間を使ってしまうのです。

例えば、「今日は時間があるので、優先順位の低いこの仕事を片づけてしまおう」といった具合に。そうすると、やった仕事とかかった時間は、順番を変えただけで、結局は当初の計画と同じになってしまいます。つまり、生産性はまったく上がっていないことになるのです。

正しく優先順位を決めることに加えて、「やらないことを決める」、そして「その仕事をやらない」のです。そうすると、その「やらない仕事にかかる時間」をほかの優先順位の高い仕事に振り向けることができるのです。とても簡単なことなのです。ただし、やらないことを決める際に、思いついた順番に「やらない」というのでは困ります。大事な仕事なのに、思いつく順番が遅かったのでやらないというのでは、生産性向上以前の話です。

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