鉄道の「自動運転」、海外で事故は起きているか

「人より正確」、ロンドンやパリは大事故なし

1900年に開業したパリ地下鉄1号線。現在はホームドアを設置して完全自動運転を実現しており、日本の新交通システムに近い(筆者撮影)

6月1日夜、神奈川県横浜市を走るシーサイドラインで発生した列車逆走衝突事故は、世間に大きな衝撃を与えた。

シーサイドラインは1989年に開業、当時は運転士が乗務していたが、1994年から運転士のいない完全自動運転へと移行、これまで大きな事故が発生したことはない。6月4日には有人運転によって運行を再開したが、自動運転の列車が逆走するという今回の事故はこれまでに前例のないもので、早急な原因究明が待たれる。

ただ、この事故を受けて「自動運転は危険」と決めつけることには、疑問を感じざるを得ない。

人為ミスより事故は少ない

日本国内だけで見ても、運転士の乗務しない完全自動運転を行っている鉄道は、東京のゆりかもめや神戸のポートライナーなどいくつもあり、運転士が安全確認のため乗務している自動運転を含めれば、かなりの数にのぼる。

1993年に大阪市交通局(当時)の新交通システム「ニュートラム」のブレーキが作動せず車止めに衝突する事故が発生したが、その後は全国の自動運転の鉄道で、負傷者を伴う大きな事故は発生していない。その年から今日に至るまで四半世紀、どれだけの数の人為的ミスによる事故が発生してきたかを考えれば、機械が正確で安全ということは十分理解できると思う。

「乗務員が乗っていれば安全」というのは事故を防いでくれるかもしれないという心理的安心感のようなものであって、もし本当に不具合が発生した場合、乗務員が添乗していたからといって、必ずしも防げるかどうかはわからない。

海外においても、自動運転は普及している。コンピューター制御による正確な運行は、人の手による運転より、はるかに安全で正確だと認識されているからだ。

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