快速電車より普通列車が速い?JR線「種別」の謎 車両はほぼ同じでも「電車」と「列車」の違いが

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常磐線の中距離普通列車。上野―取手間では快速電車と同じ停車駅で、「快速」として案内される(写真:Jun Kaida/PIXTA)

東京都心を貫き、オレンジ色の電車が走る中央線。この路線を走る電車の種別は、基本的に「快速」以上だ。

快速も中野―高尾間は各駅に停まり(土休日は高円寺・阿佐ヶ谷・西荻窪通過)、駅では各駅停車と案内されることもある。それでも、あくまで種別は「快速」だ。東京駅の中央線ホームでは「各駅停車は当駅には停車いたしません」という放送が流れている。実際、早朝・深夜以外は東京駅に中央線の各駅停車は発着しない。

では、中央線に各駅停車はないのか?というと、御茶ノ水―三鷹間で並行する黄色いラインの電車がその役割を果たしていることは、多くの人が知っているだろう。黄色の電車は「総武線」という別の路線と思っている人もいるかもしれないが、御茶ノ水―三鷹間は中央線の各駅停車である。

この区間は中央線の複々線であり、オレンジ色の電車が走るのは「中央快速線」、黄色の電車が走るのは「中央緩行線(各駅停車)」として役割の分担を図っている。三鷹より先に延びているのは快速線のため、オレンジ色の電車は実質的に各駅停車でも「快速」なのだ。

特快より速かった「普通列車」

だが、基本的に快速以上の電車が走る立川―高尾間には、数は少ないものの「普通列車」もある。甲府や松本方面とを結ぶ列車だ。

これらの列車は1993年までは新宿に乗り入れており、オレンジ色の4ドア通勤電車が頻繁に走る中、3ドアの中距離用車両で異彩を放っていた。

実は、この普通列車はかつて新宿まで乗り入れていたときは「特快」より停車駅が少なかった。のちに三鷹にも停車するようになったものの、1986年までは立川―新宿間無停車だった。現在、特急を除いて最も停車駅の少ないのは国分寺―新宿間ノンストップの「通勤特快」だが、それよりも停車駅が少なかったのだ。

なぜこのようになっていたのか。

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