ホームレスを食い物にする輩のありえない悪行

彼らの健康事情と貧困ビジネスの結びつき

人前でズボンを脱ぐ、路上で大小便をする、など奇行が目立つ人もいた。寝床の周りをゴミだらけにしたりするのも、近くに住んでいる人にとっては大変迷惑だ。

かつて僕が住んでいた家のそばに、道行く女性を大声で怒鳴りつけたり、子どもに触ったり、男性器を露出させたりするホームレスがいた。ある日、ホームレスの行動に腹を立てた男性が彼を取り押さえていた。

取り押さえた男性の目にも、道行く人たちの目にも、ホームレスの男性が、完全に悪いように見えたと思う。

たしかによくないことをしているかもしれないが、ただ病気ならば仕方がない部分もある。彼に必要なのは、暴力による成敗ではなく治療だろう。

精神を病んだホームレスは、ホームレスの中でも目立ってしまう。

多くのホームレスは、あまり目立たないように周りに迷惑をかけず生活しているが、そのように目立つホームレスがいると

「ホームレス=困った人」

「ホームレス=悪い人」

というイメージが定着してしまう。こういうイメージは、お互いにとってよくない結果になる場合が多い。ホームレスに対する暴力も、そもそもはそのような誤解から始まっている場合がある。

あまりに精神状態がひどいホームレスは、積極的に保護をして治療をしたほうがいいだろう。

治療費を払ってもらえない病院側のジレンマ

病気が悪化したり、暑さ寒さに倒れてしまったりしたところを、救急車で搬送されることもある。自分で救急車を呼ぶこともあるし、知り合いや通行人が電話をかけることもある。

病院によってはホームレスの受け入れを拒むところがある。とくに何度も入退院を繰り返しているホームレスは、病院のブラックリストに載っている場合があり、なかなか病院に入ることができないという。

病院で治療を受けたり、入院したりすると、当然費用がかかるが、多くのホームレスは支払うことができない。病院サイドも最悪の場合はお金をとるのを諦めるしかない。ただお互いのダメージを減らすために、治療を最低限に絞ったり、入院期間を短くしたりするケースもある。それが問題視されることがあるそうだ。新宿の総合病院で務める医師は、

「病院としてはよかれと思ってやっているのですが、人権団体に差別だと抗議されたこともあります。しかし、きちんと治療をして、高額の治療費を請求しても怒られると思うんですよね。とても難しい問題ですね」

と語っていた。そういう問題が起きないように、病院は入院しているホームレスに対し、ケースワーカーをつける場合がある。

ケースワーカーはホームレスが退院後に住めるアパートを見つけ、そこに住所を登録し、生活保護受給の手続きをする手伝いをする。そして生活保護費の中から治療費や入院費を受け取るという形を取る。

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