食品ロスの大胆削減に「天気予報」が効く理由

試行錯誤を繰り返す小売店や食品メーカー

例年、土用の丑の日に需要が高まるうなぎだが、近年は大量廃棄が問題となっている(編集部撮影)

恵方巻きや土用の丑の日のうなぎなど季節のイベントが行われる際に、食品の大量廃棄が注目されるようになってきた。まだ食べられるのに廃棄されている食べ物、いわゆる「食品ロス」は日本では毎年約640万トンに上り、社会問題化している。

農林水産省によると、食品ロス年間約640万トンのうち一般家庭で発生するものがおよそ半分。残りの企業活動を通じて発生するもののうち(年間約350万トン)、食品メーカーやスーパーなどの小売店で発生するものが6割以上を占めている(下図)。メーカーや小売店ともに、商品を廃棄せざるをえなくなってしまうもっとも大きな原因は、需要に見合わない量の在庫を確保してしまうことだ。

特に、天候変化により販売動向が大きく変動する季節性商品は、需要を読み間違えればすぐに廃棄につながってしまう。商品の廃棄は単に「もったいない」というだけでなく、食品メーカーやスーパーにとっては利益を押し下げる要因になる、頭の痛い問題だ。

気象データを活用した需要予測

この社会問題に対し、民間の気象予測会社・日本気象協会が、気象データを活用して商品の販売予測を行う取り組みを本格化している。気象協会は、一般ユーザー向けにはWebサイトの「tenki.jp」を運営する一方で、鉄道会社や自治体にはより詳細な気象情報の販売や気象予測を基にしたコンサルティング業務を行っている。

気象協会は今年4月、スーパーやドラッグストアなどの小売店向けに特化した需要予測サービス「売りドキ!予報」の提供を始めた。同サービスでは、これまでに気象協会が蓄積してきた気温や湿度、降水量などのさまざまなデータと、小売店のPOS情報を収集しているデータ分析会社・True Data社が蓄積したデータを照らし合わせて分析。500を超える商品セグメントごとに売れ行きをスマホやタブレットのアプリで一覧にし、前年対比の増減率を7段階にして通知する。

月額制で販売する予測のタイプには1日、1週間、1カ月先までのものがあり、予測スパンの長さによって活用方法が異なる。

1日先の予報は、店内で加工し、売れ残りがそのまま廃棄につながりやすい総菜や精肉売り場の品ぞろえに活用できる。例えば精肉カテゴリーでは、暑い日には焼き肉用の厚切り肉、寒くなればしゃぶしゃぶ用の薄切り肉がどのくらい売れる、といったことが気温との関係でわかっており、精肉カテゴリー全体の加工量を調整することができる。週間や月間の中長期予測であれば、賞味期限が比較的長い商品の仕入れ種類や量を判断するのに役立つ。

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