来春実現、東海道新幹線「全席禁煙」までの変遷 1977年に1両からスタート、「のぞみ」が転換点

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2008年になると、のぞみ号に全席禁煙(喫煙ルームあり)のN700系が登場。2009年以降はひかり号、こだま号の一部もN700系が使われ、全席禁煙の新幹線が広まる。

2011年、東海道新幹線から500系が引退し、700系、N700系に統一されると、そのタイミングで3号車も禁煙化。この年から、700系の10号車(グリーン車)、15号車(指定席、こだま号は自由席)、16号車(指定席)以外は禁煙となる。

2011年以降、700系の禁煙車に増減はないが、700系を全席禁煙のN700系や、同じく全席禁煙のN700Aに置き換えていったため、定期列車の禁煙車は増加を続け、2017年には、のぞみ号、ひかり号の定期列車がすべて禁煙化された。

2020年「多くの人が利用する施設を禁煙にし、喫煙専用の室内でのみ喫煙できるようにする」という趣旨の改正健康増進法が施行される年に、こだま号や臨時ののぞみ号も禁煙化され、東海道新幹線のすべての座席が禁煙となる。

現在でも禁煙車率はほぼ100%

そんなわけで、あと1年弱で消える東海道新幹線の喫煙車両だが、現在はどの程度残っているのか。2019年3月号の時刻表を見ると、定期運行されているのは

●こだま631号(東京6:33発名古屋行)
●こだま683号(東京19:26発新大阪行)
●こだま636号(名古屋8:34発東京行)
●こだま652号(名古屋12:34発東京行)
●こだま696号(新大阪21:33発名古屋行)

の5本のみ。しかも、どの列車も一部の日は全席禁煙のN700系で運転との注意書きがされていた。

また、山陽新幹線の「列車編成のご案内」を見ると、N700系やN700Aだけではなく、8両編成の700系や500系も全席禁煙化。喫煙可能な車両は16両編成で運転されている700系のみ。この編成で定期運行されているのは

●ひかり441号(新大阪6:03発博多行)
●ひかり444号(博多20:51発新大阪行)

のみと、現在の時点ですでに、東海道・山陽新幹線の定期列車の禁煙車率はほぼ100%に近い状況だった。

ここに挙げた列車以外で喫煙可能な車両を使っているのは、東京駅を発着する臨時ののぞみ号のみ。東京駅を発着するのぞみ号、こだま号は来春よりすべての列車が全席禁煙となると、残るは、山陽新幹線のひかり号2本のみとなるが、わざわざこれだけを残すというのも合理的ではない。

なので、来春のダイヤ改正で、東海道・山陽新幹線の座席は、定期列車、臨時列車のすべてで禁煙となる可能性は、100%と言ってもいいだろう。

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