電車賃を節約、切符の買い方「ケチケチ大作戦」 ちょっとの手間と時間でこれだけ安くなる

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JR乗車券には、山手線内の各駅(山手線全駅と中央線の新宿―東京間各駅)発着の場合、東京駅から片道101km以上200km以下の区間であれば、山手線内のどの駅から乗っても(降りても)東京駅発着で運賃計算する制度がある。

また、東京23区内の駅発着の場合、東京駅を起点として201km以上の区間であれば23区内のどの駅から乗っても(降りても)東京駅からの運賃計算となる。「東京山手線内」「東京都区内」と書かれた乗車券を見たことのある人は多いだろう。

東京23区内に限らず、JRが指定する「特定都区市内」の各駅発着の場合、その都市域の中心駅から201km以上の区間であれば、中心駅発着での運賃計算になる制度がある。

エリア内ならどこでも同じ運賃で利用できる便利な制度だが、例えば東京都区内で東京駅よりも目的地に近い駅から利用する場合は、東京駅発の運賃を払わされて割高になる場合もあり、そういった特定の人にとっては「特定得しない」制度でもある。

例えば池袋から群馬県の水上までは156.4kmで、距離でいえば本来の運賃は141~160kmの2590円だ。だが、この場合は東京山手線内の特例が適用され、東京―水上間164.4kmの3020円となってしまう。

エリアから少し外れると…

そこで、特定都区市内の少し手前、あるいは先の駅発着とするとどうだろう。

101kmを超える区間だと、運賃計算の距離区分は101~120km、121~140km、141~160km……と20km単位(601km以上は40km単位)となるので、発着駅をずらして違う区分の距離帯にできれば安くなる。

先に挙げた池袋―水上間の場合、山手線外の浦和から水上までなら139.9kmで、121~140kmの運賃である2270円となり、山手線内の特例も適用されない。池袋―浦和間16.5km・310円を別に購入しても合計で2580円。池袋―水上間を通しで購入して山手線内の特例が適用される場合と比べ、片道440円、往復なら880円もおトクだ。

塩尻―荻窪間203.4kmを利用する場合はさらに安くできる。荻窪駅は東京23区内なので、運賃は塩尻―東京間の222.1kmで計算されて4000円となるが、これを3.8km手前で都区外の吉祥寺までにすると199.6kmになり、運賃は3350円。吉祥寺―荻窪間の160円を別に購入しても合計3510円で、片道490円も安くなるのだ!

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