電車賃を節約、切符の買い方「ケチケチ大作戦」 ちょっとの手間と時間でこれだけ安くなる

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最後に、鉄道マニアに旅行でよく使われている方法をご紹介する。通常、1つの目的地に対して往復の乗車券を買う方が多いかと思うが、目的地が2つあるならこれを三角形状に結び、ぐるっと一周するようなルート構成にすると、お得に2つの目的地を巡ることができる。

例えば東京から金沢と名古屋に行く場合だ。通常、東京―名古屋を東海道新幹線「のぞみ」で往復すると2万2180円、東京―金沢を北陸新幹線「かがやき」で往復すると2万8240円にもなる。この2地点を往復すると合計で5万420円だ。

宿泊費を入れても安上がり

これを、1日目に東京―金沢を「かがやき」で移動して1泊し、2日目は金沢―名古屋を特急「しらさぎ」で移動して1泊し、3日目に用事を済ませた後「のぞみ」で東京に戻る形にするとどうだろうか。

これだと乗車券は東京―金沢―名古屋―東京間の1073kmで1万2960円、特急券は「かがやき」6780円、「のぞみ」4830円、特急「しらさぎ」は新幹線との乗継割引が適用されて1450円となる。乗り継ぎ割引は、在来線から新幹線に乗り継ぐ場合に限っては翌日の乗り継ぎでも割引が適用されるので、「のぞみ」とセットで購入するといい。すると、乗車券・特急券合計で2万6020円だ。

なんと名古屋往復に4000円弱の追加出費で済み、金沢往復と比べると名古屋にも寄った方が2000円も安くなるなんて信じられるだろうか?それぞれ往復した場合の合計5万420円と比べると2万4400円も安い。宿泊費2泊分を考慮してもなお1万円程度は浮くだろう。

いかがだったであろうか。前回の記事でも「ケチだ」「貧乏くさいジャーナリストだ」などといったコメントがあったが、もはや開き直るしかない。これはケチのフルコースである!日本人は消費税率が上がる中で他の先進国平均賃金の7割しかもらえていないことがデービッド・アトキンソン氏の記事によって明らかとなった今、ケチにならずして、何になるというのだろうか!?共感いただけた方はぜひご一緒にケチの美学を深めようではありませんか!

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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