米中貿易協議の行方に楽観するこれだけの理由

中国は最終的に大きく譲歩せざるを得ない

1979年1月の米中国交樹立がなければ、中国の改革開放政策が成功できたのかは未知数だ。同様にアメリカの承認がなければ、2001年の中国のWTO加盟は実現できなかった。いうまでもなく、その後の世界第2位の経済大国の地位を手に入れることができたかどうかも疑問だ。

アメリカとの対立を先鋭化させなければ、中国経済を取り巻く外部環境は好転し、国内のさまざまな難題を解決する余裕ができるのは、中国の政策担当者たちはよく体験しているはずだ。だから貿易協議に限って見れば、中国は最終的に大きく譲歩すると読むのが妥当だろう。実際、昨年12月以降、金融などの分野で中国は相次いで市場開放策を打ち出している。

そして5月7日午後、ロバート・ライトハイザー米通商代表部代表とスティーブン・ムニューシン米財務長官の招待で、劉鶴副首相が9~10日に通商協議参加のため訪米することになったと中国の新華社通信は報じている。

遅々として進まない国内の構造改革

では、中国がどのような譲歩をすれば、トランプ政権は満足できるのか。報道によれば、知的所有権の保護強化や国有企業への補助金打ち切り、市場経済体制の実効性の確保などを中国が着実に実施し、もし約束を守れなかったらアメリカがいつでも制裁措置を発動できるといった内容について、中国側は難色を示していると伝えられている。

真相は後日わかるかもしれないが、米中貿易協議が難航している背景には、中国が推進している構造改革が遅々として進まないという国内事情があるのではないかと推察される。

2013年秋に開催された中国共産党の「三中全会」では、経済や社会などに関する全面改革の決定が下された。この決定に対して、中国が再び大胆な構造改革に踏み切るのではないかとの期待が一気に高まった。「全面改革」に関する詳細な内容は割愛するが、2020年までに「経済活動における市場の役割を決定的なものにする」といった公約が印象的だった。

しかし、残りの1年間、中国がどのようにこの公約を実現するのか、いくら楽観的な筆者でも前途多難ではないかと懸念している。

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