「平成のJ-POP」が令和時代に迎える変化の大波 音楽P・亀田誠治「ヒットの基準も変わる」

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「定額だとだいたい1カ月当たり1000円、1年間で1万2000円ですよね。この金額はCDアルバムでいうと約4枚分。ですが、アルバムを1年で4枚必ず買う人はよほどの音楽ファンですよね。こういった層は減少していきます。一方で、月々1000円の定額課金であれば音楽業界全体にお金が行き渡ることも可能です。定額配信サービスならば何千万曲という曲が聴き放題です。

日本国内での音楽ストリーミングサービスの浸透が課題と話した亀田誠治(撮影:尾形文繁)

モノとしてのCDの所有率は減少するけれども、いつでも今と昔の曲が手に入るという状況を日本も早くつくらないといけないと思うんです。

ここで重要になるのがロングテールということ。聴かれた回数=ヒットの指数になるのが、よい曲を長く聴いてもらうためにも本当に公平だと思うんです。本当にいいねって思うものが評価されていく。とてもすばらしい時代になると期待しています」

ストリーミングサービスの普及によって、アーティストのスタイルも変わる。最近では、米津玄師の爆発的な人気など、楽曲制作からミュージックビデオまでセルフプロデュースできる新時代のミュージシャンも次々と登場している。

スマホ全盛時代の“音楽”とは

では新しい令和時代のヒット曲はどうなるのか?

「映像と音楽が一緒になって作品の世界観を届けることがますます重要視されます。映像クリエーターにとって、これからがチャンスの時代だと僕は感じています」

スマートフォンが日常的なツールとなった現代の若者たちは、スマホ内で見られるサイズのコンテンツに熱狂し、昔のミュージックビデオを作っても彼らのスタイルとは異なってしまう。スマホの普及によりコンテンツ制作において、ものを持たない、使わないという時代に移行している。

「この間、SHOWROOM代表の前田裕二さんと共演する機会がありました。ストリーミング映像の撮影がスマホ1つで済むんですよ。前田さんと話していて面白いと思ったのが、結局、今の若者は(昔のテレビのような)いくつものカメラでアングルを確保して、スタジオで撮ったものにまったくリアリティーを感じていない。

僕と前田さんがスマホの向こうで台本無しで話していることにリアリティーを感じているんですよ。僕らの世代はいいものを撮るにはスタジオでいいカメラを用意してって思っていたんだけれど、完全に価値観は変わっていますね。

スマホの画面を通してそこでしか起きない何かが起こってほしいという若者の願望がある以上、『このコラボでしか作り出せない音楽』『この時代でしかありえない音楽性』『この人でしかできないこと』に特化して音楽を作っていきたい」

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