「日比谷音楽祭」に懸ける音楽P・亀田誠治の真髄 平成から令和の時代、フェスはどう変わるか
さまざまな音楽を未来に伝えていくためには、音楽を応援する人を増やさなければならない。日本では、音楽や文化に対して企業・行政からのお金が集まる仕組みが、確立されておらず、「日比谷音楽祭」は企業からの協賛金、行政からの助成金など、フリーイベントを開催させる為の骨格作りが必要だった。
亀田誠治が取った行動は、代理店を頼らずに自らの足で地道な交渉を続けることだった。そこに費やした時間も労力も、並大抵ではなかったという。
「今回、フリーイベントであることにこだわり抜いたので、資金繰りも含めて準備に2年かかりました。
やはり、実態のないものに資金を集めることが困難で、2年目に僕が直接、企業トップの方々に企画書を持って営業に行き、実現したい未来や思いを伝えたら、だんだん扉が開いてきた。多くの企業から協賛金をいただけるようになりました。
教育的な観点からも、子どもたちに自分たちが楽器を教えたり、学生を舞台に上げたりと、次世代の育成の場でもあると説明しました。
東京都からも助成金をいただけて、今年は開催できることになりました」
業界以外も巻きこんでお金を回していく
今までの音楽イベントならチケット代をお客さんが払って成り立っていたが、今回はフリーにこだわり、さまざまな形で音楽をサポートする仕組みにトライした。選択肢を増やすことが音楽業界の未来に繋がる。音楽業界の課題から見えた、新たなビジネスモデルを生みだそうとしていた。
「音楽業界の中だけでお金を回すには狭すぎるんです。もはや小さな世界の椅子取りゲームになっている。なので、音楽業界の外からお金を回してくることができたら、“音楽の文化を応援した”と企業さんにも社会貢献の達成感を持ってもらえるし、アーティスト側も予算がなくてできなかった新しい作品が作れる好循環になって回っていく。みんな幸せになれる仕組みです。お金の回し方を変えるという意味でも、大きな挑戦ですね」
日比谷音楽祭の開催に向けて、企業からの協賛金と行政からの助成金に加え、クラウドファンディングで寄付金も募り、3本柱で運営される。
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