「日比谷音楽祭」に懸ける音楽P・亀田誠治の真髄 平成から令和の時代、フェスはどう変わるか

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クラウドファンディングのリターンは、野音ライブの鑑賞席を子どもたちのために用意する『MUSIC FOR CHILDREN(FOR TWO)』『MUSIC FOR CHILDREN(FOR GIFT)』などがある(詳細は「日比谷音楽祭」制作プロジェクトのクラウドファンディングページを参照)。

次世代の子どもたちを応援したいと語った亀田氏(撮影:尾形文繁)

日比谷音楽祭が目指すことのひとつである「子どもたちの音楽の芽を育てる」ことを目的として、様々なジャンルの音楽や優れたミュージシャンによる演奏、楽器体験コーナーや、ワークショップ、セミナー、ラジオブースなどが公園中に多数展開。

「自分の音楽の楽しみ方を見つけられるような、一生忘れられない体験をつくっていく」という。

「音楽祭だけでなく次世代の子どもたちを応援するという意味で、社会貢献にお金を使ったという達成感を感じてほしくて提供しています。販売と変わらないではないかと言われないためにも、アーティスト名を発表する前からクラウドファンディングを募集しています。

SNS時代にどれだけ多くの人に届かせつつ、炎上させないようにするか、議論に議論を重ねてやっています」

文化は簡単にはつくれない

取材を終えた筆者は、後日、日比谷公園に足を運んだ。 理由は、何もないところに点を打って、時代の変化や社会の歪みを感じながら、点と点を線に全てのストーリーを繋ぐという、音楽の本質と同じように、日比谷公園に行かなければ分からない”風”を感じたかったからだ。

「さまざまなボーダーからの解放」、「次世代をつなぐ」、「子どもたちの音楽の芽を育てる」 ビジョンというのは、夢のようなものだ。叶える為に行動しないと、いつか消えてしまう。

音楽イベントの歴史的な背景を考えても、日比谷音楽祭が届ける音楽の種は、すぐに花が咲き、実を結ぶとは限らない。様々な世代が水をやり続けて、希望と絶望を繰り返しながらも彩りある花を咲かせ、やがて生態系となり、文化や創造が受け継がれていくのか。

激動の平成という時代に音楽業界を牽引したプロデューサーは、音楽がもたらす多様性を信じて、その先にある未来の可能性をプロデュースしていくのかもしれない。

(文中敬称略)

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