シベリア鉄道vs一帯一路、日本企業が選ぶのは? ユーラシア大陸を横断、2つの貨物輸送ルート

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中欧班列は北回りと南回りに大別される。北回りはバイカル湖近くでシベリア鉄道に乗り入れる。南回りはカザフスタン、ロシア、ベラルーシ、ポーランドを経由してドイツと結ぶ。

重慶を出発する中欧班列の貨物列車(写真:日本通運)

カザフスタン・ロシア・ベラルーシは中国や欧州と線路の幅が異なるため、中国とカザフスタンの国境にあるアラシャンコウやホルゴス、およびベラルーシとポーランドの国境にあるブレストやマワシェビチェといった積み替えターミナルで、コンテナを積み替える必要がある。

「大型クレーンを使うことで、コンテナの積み替え作業は2~3時間程度で終わる」(日通)というが、繁忙期には積み替えを待つ貨物が滞留し遅延するリスク、積み替え時にコンテナ内の製品が破損するリスクなどが指摘されている。

かつて月数本程度の積み替え需要しかなかったマワシェビチェでは、積み替え需要が月200本まで膨れ上がり、ターミナルの許容量が限界に達しつつある。現在は近隣の新たな拠点がテスト運用されているという。

7ルートで輸送を検証

輸送量が増大する中欧班列だが、日本企業の多くは中欧班列については、まだ様子見といった段階だ。そこで、経済産業省ではシベリアルート同様、中欧班列のリードタイムや通関状況、振動や温度・湿度などの状況を把握するため、日本通運に委託して昨年秋から今年春にかけて検証作業を行った。

日通は数年前から中欧班列を活用した輸送事業を展開しており、1編成を丸ごと借り切るブロックトレインを運行した実績もある。

今回の委託事業において、日通は発着駅や経由駅が異なる7ルートを設定し自動車部品、機械部品や液晶パネル部品などを輸送した。とりわけ昨年12月20日には、ブロックトレインを使ってコンテナ41個を西安からデュイスブルクまで輸送した。

輸送に要した日数は15日で、18~19日とされる通常の運行日数よりも短い結果となった。ブロックトレインは同一の編成がそのまま最終仕向地まで向かうため、途中駅で連結と離脱を繰り返す通常の編成よりも定時性が高く、通常編成よりも優先的にオペレーションが行われることが所要日数の短縮に貢献した。温度・湿度、振動などに問題は生じなかったという。

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