アルペン「世界最大アウトドア店」に抱く野望

2代目社長は「350人リストラ」後を乗り切るか

――早期退職募集では、「IGNIO(イグニオ)」や「kissmark(キスマーク)」などPB商品の企画、製造、販売を行う子会社であるジャパーナも対象になりました。

PBのテコ入れ、強化を進めている。すでに昨年8月には大幅な組織変更を行った。企画、研究開発、品質管理など縦割りで分断されていた組織を、企画から生産まで一気通貫の体制にし、品種ごとの生産効率性の追求と開発スピードアップに取り組んでいる。取り扱い商品数が多く、過剰在庫で値引き販売せざるをえない現状を改善するため、商品数を絞っていく。

トレッキングシューズの品ぞろえは220種類に及ぶ(記者撮影)

――EC強化も課題の1つです。

4月から、新しいポイントプログラムを導入した。楽天との連携によって、ネット上で商品を見て、「実際に手に取って試して買いたい」というお客様を実店舗に誘客する、ネットとリアル店舗を連動させた取り組みに着手する予定だ。

創業会長のマネはできない

――スキーやスノーボード人口が減り、野球やサッカーなども少子化の影響で主要顧客である中高生が減少しています。ゴルフ人口の大半を占める団塊世代も競技から離れつつあります。

大変なことはたくさんあるが、会長(父親の水野泰三氏)からは「若い力で、若い発想で会社を変えてくれ」と言われ、前向きにやりがいを持ってやっている。

会長は、スキーブームの波に乗り、「アルペン」が絶好調だった1983年にゴルフ専門店「ゴルフ5」1号店をオープンした。アルペン業態だけでよいと考えず、同時に種まきも始めた。1990年代のピーク時から比べるとゴルフ市場は縮小しているが、そのときの下地があるから、売上高の3分の1は今でもゴルフ用品が支えている。

イオンとの合弁で日本での展開を開始した、アメリカのスポーツ用品専門店チェーン「スポーツオーソリティ」に対抗するため、「スポーツデポ」1号店をオープンした1997年は、ゴルフ5の多店舗展開を積極的に進めている時だった。どんなに絶好調のときでも現状に満足せず、危機感を持って先を見る。これは、見習っていきたい。

一方で、強力なリーダーシップで社員を引っ張り、「型破りな戦略家」として知られた会長のマネはしてはいけない。創業社長だから許されることがあり、創業社長と2代目では見え方、見られ方が違う。成長期とは違った「成熟期の経営スタイル」に変える必要がある。大きくなった組織に大事なのはチームワーク。社長に就任してから、北海道から九州までの各店舗を精力的にまわり、店舗スタッフと話をする機会を作っている。

3年後の2022年6月期には、国内スポーツ用品小売りで、売上高、利益、企業価値すべてでナンバーワンに返り咲くのが、今の目標だ。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
  • 御社のオタクを紹介してください
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • 住みよさランキング
  • 「米国会社四季報」で読み解くアメリカ優良企業
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
頭脳争奪<br>中国が仕掛ける大学戦争

国の未来を左右するのは優れた頭脳。大国化した中国は今、その受け皿となる世界トップレベルの大学をつくることに驀進中だ。1つの象徴が深圳(しんせん)の南方科技大学。教育強国となった中国の戦略と、受けて立つ日本の危機感が浮き彫りに。