髙田明、サッカーJ1復帰への「一戦一生」

V・ファーレン長崎「ファンづくり」の極意

試合ごとにツイッターで発信することも続けて、ありがたいことにフォロワー数は現在5万を超えています。私が繰り返しつぶやいているのは、「サッカーには夢がある」という言葉です。ほかのチームのサポーターの方もたくさんコメントをくださいます。

クラブを盛り上げるために何が大切かというと、やはりコミュニケーションだと思います。私は29年にわたってテレビやラジオに出て商品を売ってきましたが、同じだなとつくづく感じています。お客様が何を感じ、何を求めているのか、私たちは何のためにビジネスをしているのか。そのミッションを突き詰めて実行していくことがお客様づくりであり、ファンづくりにつながると思うのです。

忘れもしない2017年11月11日、V・ファーレン長崎がJ1リーグ昇格を決めた試合で、本拠地のトランスコスモススタジアム長崎(諫早市)には、これまでの最多となる2万2407人もの観客が詰めかけてくれました。

V・ファーレン長崎がJ1に昇格してからの1年間で、ホームゲームの平均入場者数は1万1000人でした。J1の18チーム中の最下位ではありましたが、それでも、それ以前のJ2時代は平均が約5900人だったので、約2倍になりました。

とくにJ1の1年間では、県外からのアウェーのお客様が格段に増えたことを感じました。私は、アウェーの試合に同行したときには、相手チームのサポーターとも会話や握手を交わします。「今度は長崎に行きます!」と皆さん言われて、本当に来てくださるのです。そうした交流の結果が、県外からのお客様の増加にもつながっているのだと思います。

また、余談ですが、V・ファーレン長崎のクラブマスコット「ヴィヴィくん」はほかのチームのサポーターにも絶大な人気を誇り、どこへ行っても大人気です。今年実施された「Jリーグマスコット総選挙」では並み居る強豪チームのマスコットを抑え、2位という輝かしい結果を収めることができました。この「ヴィヴィくん」人気も集客に一役買っていて、それは「平和」を愛する長崎にとってとても喜ばしいことだと思っています。

スタジアムへのアクセスの不便を改善

チームが試合に勝って話題に挙がってくれば当然、スタジアムまで応援に行ってみようかとファンも増えてきますよね。あとはサッカーを見るだけではなく、お客さんが試合前・試合中・試合後と丸一日楽しめる空間づくりをするにはどうしたらいいのか、あちらこちらを視察して勉強しました。

お客様が増えてきたときに喫緊の課題と感じたのは、スタジアムへのアクセス問題です。V・ファーレン長崎のホームスタジアムは最寄り駅から徒歩30分、スタジアムの2万人の収容人数に対して、駐車場の台数が少なく、しかも幹線道路沿いに位置しているため、試合前後の渋滞が大きな課題となっていました。

単に近隣の駐車場を増やすと渋滞がますますひどくなる。そこで、2018シーズンからは公園内の駐車場に予約システムを導入し、有料化して全体を整理しました。そのほかに、スタジアムから30分くらい離れたところには事前予約なしで駐車できる場所を確保して、シャトルバスでお客さんを運ぶという方法もとっています。これにより、渋滞は随分解消されました。

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