髙田明、サッカーJ1復帰への「一戦一生」 V・ファーレン長崎「ファンづくり」の極意

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そういう人がいたとしたら、私の座右の銘でもある、「今を生きる」「一日一生」という考え方をお伝えしたいと思います。

サッカーに関して、私が言っているのは「一戦一生」です。人生100年でも一日を一生だと思って頑張るのと同じように、サッカーも「一戦一生」だと考えていけば、気持ちを切り替えていけます。一戦ごとに全力を尽くして勝ちに向かっていけばいい、と。

一足飛びで夢に近づくことはできません。先のことよりも一戦一戦を、そのときそのときを一生懸命に頑張ることの積み上げで結果が出ると、思ってきました。

V・ファーレン長崎は、昨年は、J1からJ2に降格となりましたが、今季も「一戦一生」の気持ちで頑張っていけば、おのずと結果もついてくると信じています。

「クラブの経営は私が立て直す」

ジャパネットたかたの社長を退任し、通販番組への出演からも卒業した私は、2017年4月に、Jリーグ、V・ファーレン長崎の代表取締役社長に就任しました。

当時、累積赤字が3億円を超え、経営面では「倒産寸前」とまでいわれていました。ジャパネットが以前からクラブのメインスポンサーを務めていたことから、ジャパネットホールディングスの現社長である長男・旭人から「経営権を持って経営再建したいから力を貸してほしい」と打診されました。

サッカーには子どもの育成という面があります。私は、まずそれを思い、それまでの13年の歴史で培った子どもたちの夢、長崎の夢を潰すようなことはしたくない、と引き受けることにしました。

目指すところ、理念は、「人の幸せに寄与する」ということで、サッカーも通販ビジネスも同じです。どんな業種でもお客様に支持されてこそのもので、だからこそ、私はサッカーを引き受けようと思いました。長崎県民の夢を潰したくない、地方創生につながる芽を絶やしたくない、という想いもありました。

V・ファーレン長崎の社長になってすぐの頃、選手の給料も支払われないのではという状況でしたから、まず選手、監督には「経営は早急に私が立て直しますから、皆さんは安心して試合と練習に集中してほしい」と言いました。

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