拉致問題に苦しみ続ける横田夫妻41年間の戦い 被害者家族たちの高齢化も進み、猶予はない
この家族たちは、いったい、どれだけ涙を流さなければならないのか。
北朝鮮による日本人拉致が相次いでから実に40年以上が経過した。だが、2002年に5人の拉致被害者が帰国しただけで、それから17年、またも事態は膠着したままになっている。
2月末には、2回目の米朝首脳会談が開かれ、1回目に続いてトランプ大統領が日本人拉致問題を提起したというが、「全拉致被害者の即時一括帰国」という家族たちの一致した願いに向けた具体的な道筋は見えない。
拉致問題解決に一刻の猶予も許されない
しかも、拉致被害者の親で生存しているのは、横田めぐみさんの父・滋さんと母・早紀江さん、有本恵子さんの父・明弘さんと母・嘉代子さんの4人だけになってしまった。拉致被害者家族たちを高齢化の波が襲う中、もはや一刻の猶予も許されない。
にもかかわらず、かつて日本人が北朝鮮による拉致という卑劣な犯罪の餌食になっていたことさえも、この国で忘れ去られようとしている。
幸せに暮らしていた家族が、わが子を突然奪われ、何の情報もなく泣き暮らしていたこと。
わが子が北朝鮮で生きていると知らされ、取り戻すために奔走しても誰も動いてくれず無力を思い知らされること。
ようやく世論と政府が動いても、十分な確認もせずに「もう死亡した」と伝えられ、死亡確認書や遺骨を見せられてしまうこと。
もしわが身にふりかかれば、立っていられるかどうかわからないような深い悲しみの淵で、数十年戦い、涙を流し続けてきた家族たちの心中を察するには余りある。
そんな思いから、横田夫妻の41年間にわたる涙と苦闘の日々を描くドキュメンタリードラマ「独占取材 北朝鮮拉致 前略 めぐみちゃんへ~横田夫妻、最後の戦い」(3月30日(土)15時30分~フジテレビで放送)を企画した。この中で、めぐみさんの北朝鮮における生活について貴重な証言をしてくれたのが、2人の拉致被害者、曽我ひとみさんと蓮池薫さんだった。