ファナック“大異変”、カリスマついに引退

ベールに包まれた超優良企業で、創業以来の変化

今回、FA事業本部、ロボマシン事業本部など、縦割りだった研究と販売を部門ごとに結合させる組織に改変。本部長は社長と副社長が担当する。ロボット事業本部長には、清右衛門の孫で、取締役になったばかりの稲葉清典専務(35)が就いている(表参照)。

目下、ファナックが目指すのは原点回帰。祖業であり高収益の源泉であるFA事業の再強化だ。社長がその本部長に就いたことからも明らかだ。前出のメーカー幹部は「大口顧客となりうる大手の工作機械メーカーは、NC装置の競合他社との取引を増やしている。ファナックの危機感も強いはず」と話す。

ファナックは近年、アイフォーンの筐体加工向けに大量納入していた小型工作機械「ロボドリル」への傾斜を強めていた。12年末には工場の生産能力を倍増させたが、売り上げは増強前の水準よりも低い。清右衛門は、著書『黄色いロボット』の中で、「決断したことは果敢に実行し、しかも徹底してやる主義」と記している。清右衛門の主導でロボドリル事業の展開がバランス感覚を欠いたとすれば、FA事業への回帰は明確な軌道修正である。

清右衛門の支配を離れ、ファナックは「普通の会社」になるのか。創業以来の大転換期を迎え、正念場はしばらく続きそうだ。=敬称略=

(12月16日発売の週刊東洋経済2013年12月21日号核心リポート03に加筆)

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