ファナック、スマホ向け受注「蒸発」の痛手

iPhone5低調が直撃、13年度前半は4割減益へ

昨年開かれた工作機械見本市ではロボドリルを目当てに多くの人々がファナックのブースに詰めかけた。

時価総額3兆7000億円、そして40%前後の営業利益率をたたき出してきた「化け物」企業、ファナック。

リーマンショック後も、同業他社のように赤字に陥ることはなく、その後も、5割近い世界シェアを握るNC装置(工作機械の制御装置)やスマートフォンの製造工程で使われる小型工作機械「ロボドリル」の伸びに牽引され、2012年3月期には純利益が過去最高を記録した。

そのファナックが今、変調を来している。同社は4月26日、前2012年度(12年4月~13年3月)の決算を発表。同時に、今13年度の上期(13年4~9月期)の売上高が2020億円(前年同期比23.4%減)、営業利益620億円(同39.1%減)になる見込みだと発表した。通期計画に関しては明らかにしていないが、上期計画を見る限り大幅な減収減益である。

ファナックは12年度の決算も売上高が前期比7.4%減、営業利益が同16.7%減と2ケタ減益に終わっており、2期連続の大幅減益は避けられそうにない。

アイフォーン5の低調がロボドリルに響く

要因は昨年後半以降の「ロボドリル」の受注急減だ。

ファナックは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業をはじめとするEMS(受託製造サービス)に対して、アイフォーンなどスマートフォンの筐体加工向けにロボドリルの受注が一昨年頃から膨らんだ。しかし、足元では、アイフォーン5の低調な販売を受け、EMS各社の工場稼動率は急低下。業界関係者は、「スマホ向け加工設備は余っている」と説明する。

日本工作機械工業会が毎月発表している受注統計を見ると、スマホ向けを含む「電機・精密」向け工作機械のアジアでの受注が、今年1~3月は前年同期比で約9割減となっている。

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