ロボメーカーが、中国生産に乗り出す狙い 狙いは地場企業?生産拠点も続々新設

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日欧の産業用ロボットメーカーが次々と中国生産に乗り出している。

2月の春節明け、産業機械メーカー、不二越は上海近郊の張家港市で産業用ロボットの生産を開始した。もともと精密工具や油圧機器の新工場を予定していたが、昨夏から中国でのロボット需要が本格的に拡大してきたことを受け、溶接ロボットや搬送ロボットの生産を決めた。

本間博夫社長は「3年ほど前から(ロボットの)中国生産を考えていた」と話す。初年度の生産は1500台。2015年には3000台に拡大する。今年度の中国での販売台数を前期比約7割増に引き上げる。

産業用ロボット大手の安川電機も6月に上海近郊でロボット工場を稼働する。「溶接を中心とした需要が高い」(同社)ことから、得意とする「アーク溶接ロボット」を中心に生産する。このほか川崎重工業もロボットの中国生産を検討中だ。

日本の「お家芸」ともいえる産業用ロボットは、各メーカーがこれまで国内生産を貫いてきた。コア技術やノウハウが流出すれば、現在有している優位性が保てなくなるおそれがあるからだ。

豊富で安価な労働力を背景に世界の工場へと成長した中国。経済成長に伴う人件費の高騰や、急速に進む生産年齢人口の減少によって製造現場での自動化や省人化の需要が右肩上がり。すでに多くのロボットが導入されている日米欧と違い、中国ではこれから人間がロボットに置き換わる。成長市場としての魅力は大きい。

国際ロボット連盟は、15年に中国で導入されるロボットが3万5000台となり、世界最大の需要国となると予測する。

中国では納期1カ月というスピード勝負を要求されることもあり、納期短縮は必須。価格競争も厳しく、輸出では利益を生みにくい。技術流出リスクにおびえていてはビジネスの拡大が難しい。

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