ファナック“大異変”、カリスマついに引退

ベールに包まれた超優良企業で、創業以来の変化

兆候は少し前にあった。今年6月に開示された有報で、副社長、専務、常務の全12名がヒラの取締役に降格したのだ。

理由は不明だが、過去最高益を達成した2012年3月期から一転、13年3月期は減収減益となった。この時点で清右衛門に実権があったと考えれば、最後に支配力を振りかざした懲罰人事だったのだろう。「あれには役員も困っていた。6月の異常な人事が10月の役員人事のきっかけ」(ファナック関係者)という声もある。

10月公表人事は代表取締役だけだが、実は、専務や常務の肩書を復活させる再配置がなされている(表参照)。

名誉会長就任後も”権力”を増大

ファナックの起源は、1950年代に富士通社内に設けられたNCのプロジェクトチームだ。発足時から清右衛門がチームリーダーを務めていた。その後、72年に分離独立し、清右衛門は専務に就任。75年から20年間、社長として指揮を執った。会長を経て、2000年に相談役名誉会長に就いている。

だが、名誉会長就任の翌日、創立28周年記念式のあいさつで、清右衛門は、「いつも着ていた(自身が“戦いの色”と位置づけている)黄色い戎衣(じゅうい)を脱ぎました。しかし、ファナックを引退したのではありません」と述べている。

実際、権力は増していった。06年には、取締役会とは別に、名誉会長や社長、専務などで構成される経営会議を設置。国内外の子会社の代表権を持つことが記されたのは10年の有報からだ。極め付きは、12年1月。販売、製造、研究、経営の4本部長体制を整え、二つの本部長に就いたこと。だが今回、本部長職を失い、子会社からも退いた。

10月の役員人事以後、「ものすごい数の辞令が出ている」(前出の社員)というように、大掛かりな人員の再配置が行われているようだ。

象徴的なのが、従来の4本部長体制の見直し。ファナックの事業はNC装置(FA)、産業用ロボット、小型工作機械などを含むロボマシンに大別される。これまで、販売本部と研究本部にそれぞれの事業が分散していた。

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