朝ラッシュ電車本数、10年でどれだけ変わった? 「早朝シフト」と急行などの増発がトレンド
新線開業による影響といえば、2015年に開業した上野東京ラインは、京浜東北線と山手線の混雑緩和が期待されていた。
朝6~9時台、上野東京ラインを通って上野から東京へ向かう列車は46本設定されている。しかも大多数が15両編成であるから、10両の京浜東北線69本分ということになる。グリーン車の分を除いても60本分くらいであろう。とにかくとてつもない規模の輸送力増強がなされていることになる。
混雑率に関しては、2014年度の山手線上野―御徒町間は199%だったが、上野東京ラインが開業した2015年度には163%まで下がっており、効果を発揮している。京浜東北線は東京駅より北側の最混雑区間が上野―御徒町から、川口―赤羽間に変わった。
では、混雑が緩和された両線の運転本数はどうなったのだろうか。これであればかなり本数が削られていそうな気もするが、やはり山手線も京浜東北線もほかに混雑する区間を抱えているため、減便は限定的であった。山手線外回りと京浜東北線の横浜方面行き電車は5本ずつ、計10本の減便にとどまっている。
東急は「バイパス」を増発
東急は既存の路線をうまくつなぎかえて、都心へのバイパス路線として混雑緩和に活用している。それが東横線のバイパスである目黒線と、田園都市線のバイパスである大井町線だ。
この2路線のバイパス機能は混雑緩和にかなり発揮されているようで、さらなる機能増強のため、目黒線は各駅停車3本、急行6本の計9本、大井町線では急行を5本増発した。どちらも都心へのバイパス機能を意識してか、急行系の増発に特に力を入れているようだ。
さらに2019年春のダイヤ改正では、目黒線のラッシュピーク時の運転パターンを変更し、急行と各駅停車が完全に交互の運転になる。「急行待ち合わせのない各駅停車」は混雑率が特に高くなる傾向があるためといい、特定の列車への集中が解消されそうだ。
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