朝ラッシュ電車本数、10年でどれだけ変わった? 「早朝シフト」と急行などの増発がトレンド
朝ピーク時の増発が困難とされている東急田園都市線では、バイパス路線の大井町線を増発するだけでなく、早朝時間帯の増発を推進。10年前と比べ、6時台の本数が3本増えている。この早朝時間帯への増発などによる時差通勤誘導により、田園都市線の混雑率は185%から182%へ低下したという(東急ダイヤ改正のお知らせより)。
京王線では朝7~8時台の本数が71本から67本に減っているが、6時台は17本から21本に増え、トータルで見ると増発はしていないものの、ピーク時の一部列車を早朝へシフトさせたようだ。京王井の頭線も朝7~8時台の本数を51本から48本に減らし、減らした3本を6時台に充てて9本から12本に増やしている。
急行系列車が増える傾向
これらの3路線に共通している点として、急行系列車の増発が著しいことが挙げられる。田園都市線はトータルの本数では5本の増発だが、急行の本数は7本増えている。それまで各駅停車だった列車の急行化も行っているのだ。
京王線と井の頭線もトータルの本数はほとんど変わらないが、急行の本数はそれぞれ9本、12本増えている。これも各駅停車の急行化の流れである。京王線では「早朝準特」と称して早朝の時間帯に準特急を設定した。これに触発されてか、お隣の中央線では最近、6時台に青梅特快が増発されている。
列車本数が減った路線でも急行系列車を増やした例はあり、東急東横線ではトータルで4本減便されているにもかかわらず、急行が3本増えている。
また、あまり知られていないが、朝の通勤に使える本数が一気に増えた駅が都内にある。JR京葉線の潮見駅と越中島駅だ。2013年春のダイヤ改正で、混雑分散のために通勤快速を除く快速がすべて各駅停車に変更され、その後も両駅に停車する武蔵野線の増発によって停車本数が26本も増えた。両駅から都心への通勤は格段に便利になったであろう。もっとも、越中島駅は23区内のJR線の駅でもっとも利用者が少ない駅ではある。
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