年の差32歳!「同業者同士」の唐突な結婚の行方 33歳女性と結婚した65歳男性の魅力とは…

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「電話で話したら、『このおっさん転がしが!』と罵倒されました(笑)。自分を含めて2人連続で歳の離れた男性と付き合ったからでしょう。でも、すぐにあきらめてくれて『その人に僕は太刀打ちできません。しょうがないね。おめでとう』と祝ってくれました」

より簡単だったのは親への報告だ。亜紀さんの両親は離婚をしており、それぞれに再婚相手がいる。亜紀さんを育ててくれたのは、実の母親と育ての父親だ。父親のほうは和彦さんよりかろうじて年上だが、母親は4歳下である。

「報告したら、『そう来たか~』と笑ってくれました。それで終わりです。東京に来た彼を両親には紹介しましたし、実の父親と再婚相手にも会わせました。みんな『いい人でよかったね!』と大歓迎です」

意外なほどの拒絶反応を示したのは、亜紀さんの楽器の師匠だった。和彦さんとは旧知の仲であり親しくもある。しかし、娘同然にかわいがっていた亜紀さんが同年代の和彦さんと結ばれることにショックを受けたようだ。亜紀さんは証言する。

「17年以上、ずっとお世話になってきた師匠です。結婚していて娘さんもいますが、素直に言うことをきく私との絆のほうが強かったかもしれません」

師匠は反対こそしなかったがしばらくは口もきいてくれなかったらしい。同様の反応は年配の男性に多く見られた。

「私の将来を心配してくれたみたいです。『すぐに介護になるぞ』と言われたこともあります。私と同世代の女友達はみんな面白がってお祝いしてくれたのですが……。私たちは『あと40年一緒にいようね』と話しています。最期は喜んで彼の介護をするつもりです」

和彦さんが結婚を急いだ理由

和彦さんのほうにはやっかみ交じりの、もっと厳しい言葉が寄せられた。30歳以上も年下の女性と結婚するなんて「犯罪」だというのだ。そのたびに和彦さんは余裕の表情でこう切り返している。

「犯罪ではなくて希望です。あなたはおいくつですか。60歳? 僕より5歳も若いじゃないですか。あなたにもこういう女性を見つけられます。僕は希望を与えているのです」

和彦さんが若い亜紀さんとの結婚を急いだのには理由がある。すでに高校生の娘はいるが、あと1人は子どもが欲しいのだ。

「子どもは面白いです。表現ができないだけで頭は親よりもいいと思います。僕は子どもを育てながら逆に学びたいのです」

2番目の妻と離婚したのが10年前。それから亜紀さんと出会うまでにも女性との交際はあった。しかし、子どもが欲しいという理由から、40代以降の女性と付き合うときは「絶対に結婚はしない。これは遊びです」と宣言していたという。筆者は共感できないが、明快な姿勢だとは思う。

和彦さんは結婚相談所への登録も試みていた。ただし、シニア同士の結婚には興味がない。自分は30代の女性と出会って結婚したい。そのように伝えると、結婚相談所からは入会を断られた。

「紹介できる人はいない、と言うんです。お金は払うのだから登録だけはさせてくれればいいのに、と思いましたね。当然、60代の僕がお見合いを申し込んでも多くの30代女性からは断られるでしょう。でも、妻のように僕でもいいと言ってくれる女性もいるのです。入り口の段階で決めつけなくてもいいと思います」

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