人前で緊張する人は自分の「期待値」が高すぎる ハードルを下げ、安全ネットを張るのがコツ

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期待値を下げ現実をよく受け入れたとしても、すべてがうまくいくことはない。痛々しいミスをすることもあろう。人間が人前に立って何かをする限り、失敗は必ず起きる。

そこで大事になるのが、『失敗しても大丈夫』という安心感を自らの中に作り出すことだ。

その方法は、次の通りだ。

失敗した結果起きてしまうと恐れていることは何か、その深奥まで徹底して観察する

人前に立って何か言い間違えたり、良い感じで話ができなかったとしても、それはただ、「上手に話せなかった」というだけのことだ。現実に起きたことはそれだけのこと。実はそう怖いことではない。

では、何を自分は恐れているのだろう? 嫌われる? クビになる? 笑われる?

現実的ではないことを把握する

恐れていることは、本当に起きるか、起きるとしてもどれくらい現実的にあり得るかよく考える

一度の失敗でクビになるだろうか? あなたは他人の失敗を嘲笑するだろうか? しないのならば、身の回りのひとたちはあなたの失敗を笑うだろうか? その可能性を冷静に現実的に判断する必要がある。

恐れていることそのものに対しての対策を考える

恐れていることが仮に現実になったとして、それはあなたの破滅を意味するだろうか? そもそも恐れていることは現実には考え難いことではあるが、万が一への備えとして、自分にできることをイメージしておこう。

これで、あなたは自分の恐れの根本を理解し、それが現実的ではないことも把握し、万が一の備えも心の中でできたということになる。人前に立って失敗しても大丈夫なのだ。

そうして安全ネットを張っておいたなら、あとは思い切って人前に出よう。その時間を楽しんでしまおう!

人前に出ることの恐怖は、よくよく見つめれば決して、受け止めることができない類のものではないのだ。

バジル・クリッツァー ホルン奏者

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Basil Kritzer

アメリカ人の両親を持つ香港生まれ京都育ちのアメリカ人。1歳で来日し、日本の保育園、公立小学校に通う。「お受験」で中高一貫教育の私立校に入り、吹奏楽部に入部した際にホルンに出会う。高校卒業後はドイツ留学。エッセン・フォルクヴァング芸大ホルン科卒業。在学中は極度の腰痛とあがり症に悩み、それを乗り越えるために「アレクサンダー・テクニーク(Alexander Technique)」という欧米の音楽、演劇、ダンスの現場では広く知られ取り入れられている「身体の使い方」のメソッドを学ぶ。日本に帰国後、このメソッドの教師資格を取得。これまでに東京藝大、上海オーケストラアカデミー、大阪音大、昭和音大はじめ各地の教育機関で教えている。現在は沖縄県立芸術大学非常勤講師。尚美ミュージックカレッジ特別講師。著書に『マンガとイラストでよくわかる!音楽演奏と指導のためのアレクサンダー・テクニーク実践編』『バジル先生とココロとカラダの相談室シリーズ』(ともに学研)、『徹底自己肯定楽器練習法』(きゃたりうむ出版)など多数。ブログ:basilkritzer.jp(プロフィール写真:©学研)

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