トヨタ「C-HR」、発売から丸2年で見えた実力値 SUVカテゴリーでは2年連続で販売トップに

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直接的な視界の確保は安心や安全運転上重要だが、近年では車体周囲にある障害物との距離を知らせるセンサーや、後方確認のためのカメラ、そして車両をあたかも真上から見たような画像処理した映像などの補助機能が発達。安全確認ができるとの観点から、運転席からの直接的な視認性にこだわらない傾向が、他車でも新車全般に強まっている。

格好よさや個性を求める造形のためだけでなく、衝突安全に対する要請が強まり、車体強化のため車体骨格を太く、しっかりつくる必要が生じたことで、視界を悪化させる傾向にもなっている。ことに、リアハッチバック車の場合は、リアゲート開口部が大きいことから強化が不可欠で、そのためリアのピラー(支柱)が太くなり、斜め後方視界が悪化する傾向が強い。しかし、車体剛性が上がることにより、操縦安定性も高まるといえる。

時代の要求に応じながら、センサーやカメラの支援を受け安全を確認できるならと造形されたC-HRの姿は、継続的な人気を支える1つの要素となっているはずだ。

安心感のある運転感覚

次に、C-HRの魅力として考えられるのは、性能としての操縦安定性の高さと、開発責任者が追求した安心して走れる運転感覚である。

2018年12月に発売されたC-HRの特別仕様車。内外装の質感を向上させた(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

C-HRは、クロスオーバー車とはいえSUV的に車高が高い。またスポーツカーやGTカーのように高性能を誇る車種ではないが、開発責任者のこだわりからドイツのニュルブルクリンクへ試験走行に出かけたり、日本に比べ速度域の高い欧州の一般道を徹底的に走り込んだりして、走行性能の高さを求めた。

ニュルブルクリンクは、競技を行うサーキットより山間の屈曲路に近い設定で、先の見通しの悪いカーブもある。そこを全力走行させることにより、背が高めのC-HRでも安定した操縦性が作り込まれ、安心感のある運転感覚が実現した。

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