トヨタ「C-HR」、発売から丸2年で見えた実力値 SUVカテゴリーでは2年連続で販売トップに

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実際にC-HRを運転してまず実感したのは、タイヤがしっかり路面を捉えていると感じる手応えである。それによってクルマを信頼し、命を任せられると思える安心を覚えたのであった。

C-HRの基になる骨格は、現行のプリウスと同じであり、トヨタはプリウスからTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)と呼ばれる基幹技術の導入を行っている。TNGAとは、基本となる技術をまず磨き上げ、そこは共通部分としてほかの車種にも利用しながら、あとは車種ごとの味付けに資源を投じる開発手法である。C-HRの開発責任者も、「そうした基幹技術があるからこそ、C-HRならではの魅力を作り上げることができた」と語る。

TNGAの投入効果

TNGAの成果は、まず現行のプリウスによって、前型に比べ明らかに操縦安定性や乗り心地の向上を実感させた。その第2弾となるC-HRでは、プリウスさえ見劣りするほどの走行性能と快適性の高さを伝えてきたのである。C-HR開発主査が語ったとおり、TNGAの投入効果てきめんである。

高い走行性能といっても、単に速度が速いとか、加速がすごいということではなく、クルマの運転が自分の手の内にあり、クルマを身近な存在に思わせる楽しい気分ももたらした。

C-HRを運転したときの感動は、TNGAという技術や開発手法によるだけではなく、それを活かす開発責任者の思いや狙いの正しさにあるのだと思う。製品の仕上がりとして、これでいいと判断を下す基は、そうした精神や思想であるからだ。同時にまた、そうした開発責任者の考えを、現物として完成させることのできるトヨタの技術水準の高さもC-HRから感じることができた。

C-HRは、時流に乗ったクロスオーバー車という単純な価値にとどまらず、クルマを愛する技術者の思いが顧客に共感を与える仕立てとなっているところに、人気を持続させる力があるのだろう。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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