北朝鮮No.2失脚でも経済運営に影響なし 張成沢氏は完全に失脚、再起可能性はほぼゼロに

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張成沢は国防委員会副委員長のほかにも、党政治局員、党中央軍事委員、党行政部長、党中央委員、国家体育指導委員長などの肩書きを持つ。それら職責にすべて絡めて、「反党・反革命的分派行為」と取れるようなすさまじい批判の仕方で、「これでは結局、何をして粛清されたのかわからないほど」(ソウルの北朝鮮ウオッチャー)だ。

張成沢は2003年ごろにも、当時の金正日総書記から「分派行為」を指摘され、左遷されたことがある。その後、06年ごろには党中央に復活していたが、今回ここまで批判されたことで、復活の芽は潰されたと言えそうだ。

3度目の復活は望み薄?

拡大会議の内容が伝えられる2日前の7日、金正恩第1書記が軍部隊を視察する記録映画から、張成沢氏の姿が除去されたことが確認されている。金総書記の実の妹で党軽工業部長の金慶喜と夫婦であり、金第1書記の親戚に当たるがその血筋も今回の解任には通用しなかったようだ。

北朝鮮政治が専門で慶應義塾大学の礒崎敦仁専任講師は、「側近に対するこれほどの粛清は、少なくとも金正日時代にはなかった」と驚く。過去を振り返ってみても、「1950~60年代の金日成首相(当時)が自身の権力基盤がまだ不安定だった当時、権力闘争の中でこのような形の批判を行ったことはあるが、それを想起させる」と指摘する。

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