家電見本市で「クルマ」がかなり目立ったワケ 自動運転車への取り組みはここまで広がった
レベル1:システムが前後・左右いずれかの車両制御に係る運転タスクのサブタスクを実施
レベル2:システムが前後・左右の両方の制御に係る運転タスクのサブタスクを実施
レベル3:システムがすべての運転タスクを実施(※限界領域内)、作動継続が困難な場合の運転者は、システムの介入要求等に対して、適切に応答することが期待される
レベル4:システムがすべての運転タスクを実施(※限界領域内)、作動継続が困難な場合、利用者が応答することは期待されない
レベル5:システムがすべての運転タスクを実施(※限界領域内ではない)、作動継続が困難な場合、利用者が応答することは期待されない
※ここでの「領域」は必ずしも地理的な領域に限らず、環境、交通状況、速度、時間的な条件なども含む
(出所)官民ITS構想・ロードマップ2017
バスは路線も事前に特定されているため従来から自動運転が実用化しやすいセグメントとされてきた。バイドゥは昨年のCESで自動運転プラットフォーム構想であるアポロ計画の詳細を展示し、昨年度中の自動運転バス実用化計画も発表していたが、それを有言実行して余りある成果を実際に上げたのだ。
ウェイモがかなり限定的な運用にとどまっているのに対し、中国全土で21カ所というバイドゥの展開は、自動運転実用化という観点からは、中国勢の方が先行していると言っていい状況だろう。
展示場での状況や各社の発表内容を分析してみると、自動運転車の実用化における日本・アメリカ・中国の状況は、「コンセプトカー段階の日本メーカー」「商業化を昨年末から始めたアメリカテクノロジー企業」「社会実装を昨年から始めた中国テクノロジー企業」と表現できるのではないかと感じた。
ウェイモやバイドゥの動きを、「小さな一歩」と見るか、「大きな一歩」と見るかは大きく見方が分かれるところであろう。もっとも、それぞれの企業が実際の商業化という環境の中で高速でPDCAを回し、高速で改善を重ねているであろうことは認識しておくべきなのだ。
異業種のメーカーもコンセプトカーを採用
本年のCESでの自動運転車についての大きな特徴の1つは、自動車メーカーに加えて、メガサプライヤーや家電メーカーもコンセプトカーを展示する企業が増えてきたことだろう。
コンチネンタルが発表した「ラストワンマイルを犬型ロボットが配達する自動運転車」(自動運転車とともに犬型ロボットを展示)をはじめとして、日本勢でもデンソーやアイシンなどがコンセプトカーを発表していた。
家電メーカーについては、昨年もコンセプトカーを展示し今年はそれをさらに進化させてきたパナソニック、本年から次世代自動車のコンセプトカーを発表したサムソンなどが注目を集めていた。
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