茨城の国立大が「カフェ」を構内に招いた理由 「開かれた大学」の象徴としても効果的
営利を目的としない国立大学も、次世代に向けた「健全経営」は欠かせないのだ。
「自立性」と「連携」を模索する
大学の収入全体では、キャンパス内のカフェやスーパーからの収入(施設使用料や売り上げの一部)は大きな金額ではない。見逃せないのはそれ以外の効果だ。
「最先端の店があるのは、受験生へのアピールとしても欠かせませんし、キャンパス内の施設を充実させることで、本学が掲げるグローバル化の手段にもなる。企業との連携は、大学の進化につながります」(筑波大学副理事で事業開発推進担当の大森勝氏)
茨城大と筑波大では、規模や掲げる目標が違うが「このままでは生き残れない」という危機感では一致し、学長同士の意見交換も行う。「開かれた大学」という言葉も共通していた。
「学長に就任した時、思案した末に次の2つが重要だと思いました。1つは、社会に貢献する大学。もう1つは、学生が成長する学生中心の大学です。前者では30社ほどの地元企業を回り、経営者の方たちと意見交換をし、厳しいご意見もいただきました」(三村学長)
三村氏が最初に言われたのは、「大学は敷居が高い」「やりたいことがあっても、大学に行って相談しようという気持ちは、今までの経験からはならない」だった。一方で「こうした会を開くこと自体、大学の姿勢が変わった証拠ではないか」という声もあった。
「産学連携」の概念よりも、「実例」で示し「成果を上げる」ことだろう。その象徴として一般客も訪れるカフェや小売店は欠かせない。人気店でないと魅力も集客も半減するのだ。
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