5年ぶり、ほっかほっか亭が「のり弁」値上げ 食材高の波が弁当業界にもジワリ

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2013年に入ってから、円安の進行とほぼ時を同じくして、世界的な干ばつや病害などが原因となり、コメやエビ、サーモンなどの食材価格が高騰してきた。その影響はハークスレイの持ち帰り弁当事業にも波及。これまでは社内努力で何とか吸収してきたが、ここに来て「あとはお客さまにお願いするしかない」(青木会長)という判断に至ったという。

プレナスも価格設定に四苦八苦

さらに、ほっかほっか亭独自の事情として、コンビニなどとの競合が激しく、既存店の前年割れが続いていることもある。ハークスレイは不採算店の閉鎖、移転・新築を急いでいるが、閉鎖はできても店舗開発が追いつかず、売上高は漸減。2013年度上期(4~9月)も、売上高は期初に計画した265億円に対し10億円未達の255億円、営業利益も期初計画の3.3億円に対し2億円と、冴えない結果に終わった。

会社側は、状況が想定外に悪化した既存店を急きょ閉店したためと説明するが、さりとて、下期(2013年10月~2014年3月)に上期の落ち込みを挽回して余りあるテコ入れ策も見えていない。

競合のプレナスは持ち帰り弁当事業、和食事業ともに好調で、既存店は前年超えが続いている。ただ、そのプレナスでさえ、2012年5月にのり弁を290円から320円に値上げしたものの、同年9月には平日昼限定ではあるが50円値下げして270円に改めるなど、価格設定で苦労している状況がうかがえる。

ハークスレイは今回の値上げで確かに採算は向上するかもしれないが、従前からの売上高計画未達の状況に拍車がかかる可能性も捨てきれない。

筑紫 祐二 東洋経済 記者

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ちくし ゆうじ / Yuji Chikushi

住宅建設、セメント、ノンバンクなどを担当。「そのハラル大丈夫?」(週刊東洋経済eビジネス新書No.92)を執筆。

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