あの「ビースティ・ボーイズ」が出した回想録

MCAの死から6年、2人は何をしているのか

ビースティ・ボーイズのマイクD(左)とアドロック(右)(写真:Brad Ogbonna/The New York times)

50代前半の男3人が夏の終わりの午後、アイスコーヒーを飲みながらザ・クラッシュへの愛を語り、自分たちが今いるセレブ御用達のホテルがかつて伝説的ライブハウスのCBGBがあった場所にほど近いなんておかしなものだと言い合って始まる。もしくはそんな話で終わるかもしれない。

オヤジの会話だ。しかし、そのうちの2人のオヤジはビースティ・ボーイズのメンバーだ。なで上げたグレーヘアに白のTシャツを着たアダム・ホロヴィッツと、明るい赤のシャツに髪は黒々として、南カリフォルニア暮らしのせいで顔は日に焼けてシワが刻まれているマイケル・ダイヤモンド。別の呼び方をすれば、アドロックとマイクDだ。

音楽ではない「ビースティ大全」

ビースティ・ボーイズのもう1人のメンバー、誠実でバンドの精神的かつ知的な柱だったMCAことアダム・ヤウクは、3年にわたる唾液腺がんとの闘病の末、2012年にこの世を去った。それから6年、MCAの不在はこのインタビューでも明らかな事実としてある。彼の名は話の中で頻繁に登場し、ホロヴィッツとダイヤモンドがこの度発表したバンドの回想録でもそれは同じだ。

(写真:Brad Ogbonna/The New York Times)

『Beastie Boys Book』というタイトルのその本は571ページものボリュームで、逸話にレシピ、リフ、とりとめのない話、そして亡くなった友人への心からのエレジーが綴られている。

古い写真やマンガも多く収められ、フォントやレイアウトもさまざまに入り乱れた同書は、音楽ではない「ビースティ大全」だ。メンバーの生い立ち、ツアーバスやスタジオでの出来事、そして作家のジョナサン・レセムやエイダ・キャルフーン、コルソン・ホワイトヘッド、女優のエイミー・ポーラー、ミュージシャンらが語るストーリーもちりばめられている。

ビースティ・ボーイズが今後、新たな音楽を発表することはなく、この本は壮大で複雑な彼らのレガシーを総括する役割を担うだろう。

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