あの「ビースティ・ボーイズ」が出した回想録

MCAの死から6年、2人は何をしているのか

ダイヤモンド:マッド・クラブとかダンステリアとか、僕たちが10代でクラブに通い始めた頃のことで面白かったのは、みんなが何かをやっているというカルチャーだ。バンドをやってなければ詩の同人誌を売ろうとしていたり、次にくるビジュアルアーティストを目指していたり、誰もがクリエイティブな野心を持っていた。

――それが何か違うことをやろうというプレッシャーになった?

ダイヤモンド:最初は僕たちもみんなと同じハードコアバンドだった。ただ、僕たちにはユーモアのセンスがあった。

毎日寂しく思っている

ホロヴィッツ:それでラップを始めた。ダウンタウンのラッパーといったところだ。ダウンタウンでラップをやってるやつなんていなかった。だろう? きっかけはリック・ルービンとの出会いだ。みんな同じクラブに行っていたけど、彼はちょっと年上で、ドラムマシンを持っていた。

ダイヤモンド:ハードコアに対して燃え尽きてしまった。(Run-D.M.C.の)「Sucker M.C.'s」がそれを粉々に破壊したんだ。余分なものが削ぎ落とされた、ミニマルな……ラップはそういうものに向かっていた。

ホロヴィッツ:当時のラップはどういうわけかパンク的だった。ただラップ好きなだけでなく、ラップのレコードを作りたいと望んでいれば何かがつながった。

ダイヤモンド:もしくは僕たちがただすごく単純で、「お前たち何考えているんだ?」と言う責任ある大人が周りにいなかっただけかもしれない。

――ヤウクの死があるために、この本はほろ苦さをはらんでいる。

ホロヴィッツ:悲しいことだ。それを避けて通ることはできない。君ならこの本をどう締めくくる? 僕とマイクがここに座ってる? 僕とマイクが映画に行く? まだ見ていないドウェイン・ジョンソンの映画はたくさんあるからね。

ダイヤモンド:いいところは、振り返ってみて彼なしではありえないストーリーを掘り起こせたことだった。それは喜ばしいことで、でも毎日寂しく思っている。その悲しみと喪失感を抱えずに、誠実にこの本を作ることはできなかっただろう。

ホロヴィッツ:それはどうすることもできない。彼がこのバンドを始めたんだから。

(執筆:A.O. Scott、翻訳:中丸碧)
(C)2018 The New York Times News Services

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