クラロワ世界一決定戦が日本で開催するワケ 12月1日は歴史的なeスポーツ大会になる

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売り切れるかどうかの心配もあり、学生のために価格を抑えたとなると、そもそも有料での開催を見送るという手もあったと思われます。しかし、殿村氏は、有料チケットにしたのは、出場している選手やチームがプロ選手、プロチームであることをファンに示したかったからだと言います。

ほかのプロスポーツと同様に興行としてお金をとってこそのプロリーグだということを世に知らしめたかったということでしょう。さらに、選手側への意識付けの意味もあると言います。自分たちのプレイにお客さんがお金を払って見に来ていることを感じとってもらうことで、よりプロ意識を根付かせるわけです。

11月11日にお台場の湾岸スタジオにて開催されたプレイオフ。日本、韓国、東南アジアのそれぞれの1位とワイルドカードによる1チームでクラロワリーグ世界一決定戦の出場権を賭けた戦いが行われた(筆者撮影)

クラロワリーグアジアはプレイオフを経て、韓国のKING-ZONE DragonXが優勝し、世界一決定戦へのチケットを手にしました。クラロワリーグアジアでは圧倒的な強さを誇った日本のPONOS Sportsは開催国枠での出場となり、日本から2チーム選出は、残念ながらかないませんでした。

まだ世間的には、ほかのスポーツの国際大会ほどの注目をされていないのも事実です。しかし、今後、注目度がより高まり、ファンが増えていったとすれば、今回の日本での大会は、歴史的な大会になることは間違いありません。東京2020オリンピックのように、一生に何度も体験できる機会ではないかもしれないわけです。

eスポーツ元年として今後の盛り上がりに期待

すでにチケットは売り切れてしまっているので、現地での観戦は難しいですが、動画配信は予定されてます。前回のロンドン大会よりも会場規模は小さくなっており、来場客数も抑えられているという話ですが、その分、動画配信に力を入れていると殿村氏は言っています。

プレイオフでは反則負けとなってしまった日本のPONOS Sports。しかしながら、開催国枠で世界一決定戦への出場を勝ち取っている(筆者撮影)

より多くの人が楽しめるような施策なので、興味がある人は、配信動画を見ることをオススメします。パブリックビューイングも行う可能性があるとのことなので、何かしらで、リアルタイムで体験したいところです。

ともかく、eスポーツ自体はまだまだこれから発展していくものでありながら、高い熱量を持って、盛り上がっていれば、こういった大きな大会の開催も行われる可能性はあるわけです。今後は吉と出るか凶と出るかは未知数なジャンルではありますが、せっかくeスポーツ元年として注目されたのであれば、その火を消さぬよう、イベントへ足を運び、配信動画を見て、対象のゲームをプレイし続けることが重要なのではないでしょうか。その継続していく力は、今回のような形できっと戻ってくるはずです。

岡安 学 デジタルライター

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おかやす まなぶ / Manabu Okayasu

eスポーツを精力的に取材するフリーライター。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、ウェブや雑誌、ムックなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)。@digiyas

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