COP19閉幕、新枠組み作りへ課題が山積 先進国と途上国の対立は決着点が見えず
少し長いが、以下がクロージング・プレス・リリースの表現だ。
“In the context of 2015, countries decided to initiate or intensify domestic preparation for their intended national contributions towards that agreement, which will come into force from 2020. Parties ready to do this will submit clear and transparent plans well in advance of COP 21, in Paris, and by the first quarter of 2015. ”
注意するべき点は2点ある。一つは、約束を意味する「commitments」という言葉は用いず、貢献「contributions」の準備を始めるとした点で、拘束力のある目標にならないと解釈する余地を残したことがわかる。
もう一点は、計画の提出で「用意のある締約国はCOP21の十分前の時期、2015年の第1四半期(3月)までに提出する」と含みを持たせた。こうしたところに、削減義務を負うことを避けたい中国など一部途上国側と、発展途上国を含めたすべての国の枠組みを目指す先進国側の綱引きが読み取れる。対立要素はそのまま持ち越されており、合意にはまだまだ紆余曲折がありそうだ。
日本は1990年比3%増目標
福島第一原発事故後、原発がほとんど動かせなくなった日本は、COP19で、石原伸晃環境相が、原発抜きで2020年に2005年比3.8%削減という新目標を発表した。
「すでに世界最高水準のエネルギー効率を20%も改善するという野心的なもの」としたものの、2009年に当時の鳩山由紀夫首相が発表した「1990年比で25%削減」と比べると大きく後退している。1990年比で換算すると3%増という今回掲げた新目標に対し、世界からは失望を示す声明も出た。
世界は、日本の震災に同情を示しても、CO2排出を見逃してくれるわけではない。京都議定書第2約束期間からの離脱で、日本は国連の排出権クレジット取引を制限された。仮にも、すべての国が参加する取り組みに、消極的と受け取られる態度を取り続ければ、孤立を招きかねない。次期枠組みの自主目標提出まで1年4カ月ほどしかない。
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