韓国・現代自動車に見えた勝ち残りへの課題

業績不振に株価急落、ささやかれる危機論

2018年2月、インドのナレンドラ・モディ首相と水素自動車に同乗した鄭義宣・首席副会長(写真:『中央日報エコノミスト』)

現代(ヒュンダイ)自動車の2018年第3四半期(7~9月)の営業利益は、前年同期比で76%も急落した。売上高は24兆4337億ウォン(約2兆5000億円)と小幅増収ながら、営業利益は2889億ウォン(約290億円)にとどまったからだ。

金融市場で取りざたされる「現代自動車危機論」

エアバック制御器のリコールなど一過性の費用が発生したためと現代自動車側は説明する。しかし、金融市場では「現代自動車危機論」が、取りざたされている。

当記事は韓国の経済誌「中央日報エコノミスト」掲載記事の日本語訳です

現代自動車危機論の根拠はいくつもある。モビリティ革命で触発された世界の自動車産業の変化に同社が出遅れており、アメリカや中国など海外市場で競争力を落としているとの指摘がある。また、米中貿易戦争による貿易条件の悪化と、鄭夢九(チョン・モング)会長から息子の鄭義宣(チョン・ウィソン)首席副会長への経営権の継承が遅れている点も不安要因だ。

企業のファンダメンタルを推し量る株価は、今年4月24日の16万2500ウォン(約1万6000円)から、11月1日には10万8500ウォン(約1万円)まで下げた。同社は経営上の革新が切実だというのが、大方の見方だ。

このような中、現代自動車は10月29日に役員人事を行った。鄭義宣氏が9月14日に首席副会長に昇進後、初の役員人事だ。今回の人事は、最近の同社内外で指摘されている多くの問題をどう解決していくのか、その戦略がうかがえるものとなった。

今回の人事は、同社に変革が可能かどうかを占う研究開発(R&D)を強化することをきちんと示したと評価されている。最も目を引くのは、人工知能(AI)を専門的に担当する「AIリサーチラボ」を新設したことだ。これは、鄭氏直属の部署である戦略技術本部に設置されていることからも、鄭氏の意欲がうかがえる。

AIリサーチラボの「6大AI戦略課題」は次のとおりだ。

1)生産の効率化
2)プロセスの効率化
3)顧客経験の確信
4)未来車両の開発
5)モビリティサービス
6)サービスビジネス
次ページ現代自動車の参入にある「いまさら」感
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