日本のキャッシュレス化が残念な3つの理由 「万引きエクスペリエンス」で少しハラハラ!?
キャッシュレス化は、小銭を用意したり現金を使う煩わしさを解消するものですが、それがお客さんの集客に結び付いているかという点でも観察しました。やはり利便性の面から、悩まず簡単に決済できるほうがお客の反応もよかったような気がします。リピートするなら、当然便利なほうでしょう。
てんやを訪れた同じ日に、「ローソン JEBL秋葉原スクエア店」(東京都千代田区)にも行きました。こちらでは、スマートフォンにダウンロードしたローソン公式アプリを使って、レジを通さず決済できる「ローソンスマホペイ」で支払いができます。
ローソンスマホペイは、欲しい商品のバーコードをスマートフォンのカメラで読み込み、手元の操作で支払いを済ませるだけです。訪問した日は、人は多くありませんでしたが、混雑時に自分の欲しいものが決まっているときなど、レジの行列に並ばず手元のアプリ操作で支払いができるのがとても便利です。特に、オフィス街にあるコンビニが混雑するランチの時間帯などは、これによってストレスなく買い物ができると思います。
しかし、店舗によって支払える商品の範囲が違うようです。この店舗では、私が買おうとしたひきたてコーヒーに使えなかったため、現金で支払いました。決済はApple Pay、楽天ペイ、クレジットカードを選ぶことができます。しかし、レジでは可能な「Pontaポイント」での支払いができない点は残念でした。
「万引きエクスペリエンス」をどう解消するか
私の夫はアップルストアで商品を購入する場合、Apple Storeアプリのセルフチェックアウト(Easy Pay)を使って支払いをしますが、「万引きに間違えられないかハラハラする(これを俗に万引きエクスペリエンス=体験と言うそうです)」と話しています。セルフチェックで商品を持って店を出ようとしたら、警備員に呼び止められないかと心配する気持ちはよくわかります。
もちろん、支払いの控え(電子レシート)が手元に残るため、呼び止められたり尋ねられたりしたら、控えを見せれば済む話ですが、支払いをいちいち証明するのも面倒です。ローソンスマホペイは入店や退店を意味する操作を行うことでそのハラハラの軽減を図っていますが、今度は操作が一手間増えるわけで、疑われ防止と利便性のバランスは難しいところです。
今回、お店を巡ってみて感じたキャッシュレス化の課題は、次の3点だと思いました。
② 自己完結で決済できても、万引きを疑われたりする心配がある。
③ 一部の商品が買えなかったり、通常のレジなら使えるサービスが使えなかったり、店ごとにアプリが異なる場合があるため、操作や管理が面倒なことがある。
万引きエクスペリエンスは少しハラハラしますが、以上の3点が解消されれば、もっと利用する人は増えるのではないでしょうか。電子決済を導入する店舗は今後も増えていくことが考えられますが、業態や来店する人の特徴に合わせて便利でストレスのない決済手段が採用されると、消費者としてうれしいかぎりです。
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