日本ハム「新球場」、完成を阻む数々の難問

JR新駅、用地買収、建設資金など課題山積

新スタジアム周辺の土地の状況(筆者作成)

筆者の取材に対し横山造園は口を閉ざしているので、市との交渉状況は不明だが、地元関係者によれば「来年いっぱいで営業を終了するらしいが、代替地は提案してもらえていないようで、膨大な量の樹木の移設先は決まっていないらしい」。売却自体には同意しているのだろうが、条件面について交渉中という可能性が高い。

横山造園の西側一帯は市内在住の農業関係者個人の所有だが、いちばん北側の角一帯は石材店、南側の一角は地元の地盤調査会社が資材置き場兼重機類の駐車場として使用しており、こちらも立ち退きにあたっては代替地確保など、条件面の交渉が続いている可能性が高そうだ。

アクセス道路用地確保は難航必至

何より難航必至なのはアクセス道路用地の確保だ。

北広島市の試算によれば、ゲーム開催日の想定来場者数は最大3万5000人。このうちJR千歳線利用者は1万3500人、マイカーが1万2000人(1台に3人乗車で4000台)、シャトルバス7000人(50人乗りバス40台が3~4往復)、徒歩2500人。

JR北海道としてはゲーム開催日に列車増発など必要な輸送力を確保する必要がある。だが千歳線は現状でも過密ダイヤ。輸送力増強についてJR北海道は「今はまだ北広島市と情報交換を行っている段階で、具体的な内容は今後実務レベルで詰めていく」という。ボールパーク開業まで4年半しかない中、具体的な道筋は見えていない。

北進通。右側がスタジアム建設予定地、左側が国有林(筆者撮影)

そうなると、マイカーによる来場者の導線となるアクセス道路はより重要性を増す。今年2月に北広島市が地元で説明会を開催した時点では、北広島駅西口からボールパーク手前までの間の新交通システムのほか、敷地を取り囲む道路の4車線への拡幅や、国道274号線からと市道大曲椴山(おおまがりとどやま)線からの2路線を、敷地南側の北進通に接続させるアクセス道路の新設が想定されていた。

このうち国道274号線からのルートはJR千歳線の線路上に跨線橋を設置する必要があり、2023年の開業には間に合わない。そこで、大曲椴山線からのルートを優先させることになったらしい。この時点で想定されていたのは、国有林との境界沿いを通るルートだった。現況は林野だが、公図上は道路となっており、所有者である国と話がつけば道路化でき、道路用地を買収せずに済むという思惑があったのだろう。

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