婚活で「投資詐欺」に遭った71歳男性の末路 手料理を楽しむ「異業種交流会」が一転…

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そして、いちばん気になっていたことを聞いてみた。

「なんで、親子ほども年齢が離れている私に申し込んだんですか?」

「私、同世代の男性とは話が合わないんです。年上がいいんですよ」

2人は意気投合し、見合い後、交際に入った。食事やデートを重ねていくうちに、岩下は響子に心を奪われていった。響子も、「岩下さんと一緒にいると楽しいし、いろいろなことが知れて勉強になって刺激的です」と言っていた。

結婚相談所には、お互いのお人柄をみる“交際”期間と、将来に結婚を見据えてお付き合いする“真剣交際”期間があるのだが、2人はお見合いの日から1カ月も経たないうちに、“真剣交際”に入った。

その後、岩下は響子をシンガポール旅行に誘った。

「ホテルの部屋は、2人で一部屋だったんです。私も男だから当然夜は求めますよね。すると、彼女は、『甲状腺の持病を持っていて、最近調子が良くなく大量の薬を飲んでいるから、そういうことをするのは怖い』という」

結局シンガポール旅行は、同じ部屋に泊まったものの何もないままに帰国した。その後も、病気を理由に男女の関係になることは避け続けた。

「私もなんだかシラけてきちゃって。彼女との結婚はないなと、自分の中でいったん区切りをつけたんです。ですが、話をするぶんには面白いので、交際を終了することなく、それまで通り食事に行くような関係は続けていました」

「異業種交流会」の実態は…

しばらくして響子は、都内の高級住宅街で“街カフェ”と称した異業種交流会を開くようになった。

「マンションの一室で、彼女が作ったイタリア料理を食べながら、異業種の人たちがビジネス交流や情報交換をするんです。一度訪れたら、『こちら元○○証券の○○さん』『××大学の副学長さん』と、客筋が良かった。また、そうした人たちと話をするのも楽しかったので、開催されると私も何度か足を運ぶようになりました」

すると、いつからか響子は、来ている人たちに投資の話を持ちかけるようになった。

「彼女は以前、外資系の投資銀行で働いていたんです。ラーメン屋の世界展開の株式投資話とか、有名なAV男優がAVを撮ってそれを世界に流すとお金が返ってくるから、その男優に投資をする話とか、新規上場株や未公開株に投資する話とか。FX話もありました」 

次ページどんどん羽振りが良くなっていった
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