急速に競争激化する、中国の高級車市場 BMW、メルセデス、アウディは大衆高級車?
[広州(中国) 21日 ロイター] -米国を抜き去り、世界最大の自動車市場になった中国。経済成長とともに高級車市場も各社の競争が激化しており、ディーラーはあの手この手を使って顧客獲得にしのぎを削っている。
中国の高級車市場は、昨年こそ景気鈍化や新指導部発足などで販売台数の伸びが減速したものの、ここにきて勢いが戻りつつある。2020年までには年間販売台数が約300万台となり、高級車市場でも米国を抜いて世界1位になるとみられている。
急速な成長の代償として、中国の高級車市場は競争が非常に激しくなっている。5年前には、同国で販売される高級車は5ブランドの計10車種ほどだったが、市場調査会社TNSによると、今では25ブランドから90車種以上が出ている。
独BMW
BMWやメルセデス・ベンツ
欧米産の高級車が走っているのは中国の都市部ではありきたりな光景となっているため、より目立ちたい現地の富裕層は、アストン・マーチンやポルシェやジャガー
米フォード
ブランドロイヤルティ
中国の車購入者は、それが高級車であっても大半は車を初めて買う人たちで、特定の世界的ブランドに対するこだわりはあまりない。
メルセデス・ベンツは中国人消費者の心をつかもうと、北京市内で自社博物館の建設を計画している。フォードは上海のクラシックカー展示会にリンカーンの歴史的モデルを提供。米ゼネラル・モーターズ(GM)
また、BMWとメルセデスの販売店では、商談成立イベントとして、テープカットや写真撮影、花束贈呈などが行われている。ランド・ローバー・ジャガーが上海にオープンしたショールームには、ミニゴルフ場も併設されている。
上海万博の跡地にBMWが今年開設した店舗は、歴史的なモデルや写真や映像の展示を通じ、車そのものよりもむしろ、BMWの「物語」を売り込む。アートギャラリーのような空間でブランドの伝統を宣伝する狙いがある。
経営コンサル会社ローランド・ベルガーのシニアパートナー、ジョン・シェン氏は「BMWは称賛されるブランドだった。しかし今の中国では、BMW、メルセデス、アウディは大衆高級ブランドと見られている」と指摘。「情緒的な価値などを高めるべく、BMWらはブランドを再生させようとしている」と語った。
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