博多・辛子明太子を生んだ「変な会社」の真髄 ふくや創業者・川原俊夫氏、独自の経営哲学
武浩さんは経営者や学生などに講演をする際、「ふくやという変な会社」と題して、自社の成り立ちや哲学について話している。
「10年前はまさに変な会社だなとポカンとされることが多くて……。今でこそCSR(=企業の社会的責任)やサステナブル(持続可能性)という考えが広まり、理解されるようになってきたと感じています。
当社の在り方は、最近提唱されている公益資本主義に近い気がします。
特に、戦後に自分たちを助けてくれた福岡という地に恩返ししたい、地域を元気にしたいという思いが強いですね」
【2018年11月07日16時00分追記】初出時、J2・アビスパ福岡への2013年の寄付金額に誤りがありましたので上記のように修正いたしました。
創業者の哲学を後世に残すために
「ふくや」はこれから、どこへ向かっていくのだろう。
「当社には支援してほしいという声はひっきりなしに届きます。1つずつ検討してお返事するのですが、それらをすべて断らずにやれるようになりたい」と武浩さん。明太子をもっと売りたい、会社を大きくしたい、などという一般的な目標とはかけ離れている……。
「食料品を売るためではなく、社会に貢献するために作った会社ですから。ただ、こうやってきれいごとを言い続けるためには、利益を出し続けなければいけない。
利益が出るからこそ税金を払い、社会にも貢献できる。昔は儲かっている商人が町に橋を架けたように、元気な会社が役に立つことをやっていけばいいと思うんです。私は創業者を直接知っている最後の世代となり、この独特な哲学を後世に引き継いでいく使命もあります」と表情を引き締める。
「うちは変な会社で、他社にこれを強要しようなんて思いません。ただ、できる人や会社が少しずつでも社会のために行動すれば、地域や日本はもっとよくなるのではないでしょうか」
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