米キャタピラー、利益減速懸念で株価7.6%安 CFOは「中国市場は健全に推移する」と予想
[シカゴ 23日 ロイター] - 米建設機械大手キャタピラー<CAT.N>の第3・四半期決算は、利益が市場予想を上回ったものの、2四半期連続で引き上げていた通期利益見通しを据え置いた。
投資家の間では、利益の減速を示唆している可能性があるとの懸念が広がり、株価は大きく下落した。
キャタピラーは2018年通期調整後1株利益見通しを11─12ドルで維持。7月の見通し修正後、大きな変化はないと説明した。
ジェフリーズのアナリストは「市場では小幅引き上げがないにしても、少なくとも見通しレンジが縮小されることが期待されていた」とし 、投資家の再引き上げ期待が裏切られる格好になったとの認識を示した。
第3・四半期の調整後1株利益は2.86ドルで前年同期の1.95ドルから増加した。リフィニティブによるとアナリストの平均予想は2.85ドルだった。
純利益は1株2.88ドル。前年同期は1.77ドルだった。
内訳では、受注残が前四半期末時点の水準を約4億ドル下回り、需要鈍化の兆しを示した。
また、輸送コスト増のほか、鉄鋼価格高や関税上昇を背景に、生産コストが拡大したことに言及した。
第3・四半期の関税に絡む費用は約4000万ドルに達すると試算。ただ、通年では1億─2億ドルとする従来見通しの下限にとどまるとの見方を示した。
投入コスト増に対応するため、来年1月から機械・エンジンの販売価格を世界的に1─4%引き上げる方針とした。
キャタピラーは中国市場について、引き続き健全に推移するとの見方を示した。
アンドリュー・ボンフィールド最高財務責任者(CFO)はインタビューで、中国の見通しに問題は感じていないとし、「良い年になる」との見方を示した。
キャタピラーの建機売上高の10─15%、全体の売上高の5─10%を中国が占めていることも明らかにした。
アジア太平洋地域の建機売上高は第3・四半期に19%増加し、中国の非居住用建物やインフラ分野の活動がけん引した。また、中国のディーラーのキャタピラー製品の在庫は堅調に伸びたとした。
こうした明るいコメントを受け、株価は一時の安値からやや戻したが、それでも終値は7.6%安となった。
キャタピラーは、末端市場の大半は引き続き改善しており、主要3事業分野での増収に寄与したと指摘した。
ベレンバーグのアナリスト、リズク・マイディ氏は、キャタピラーの売上高は2012年のピークを25%下回っているため、業績は依然として伸びる余地があると分析した。
ボンフィールドCFOは投資家に対し、より小幅な増益を見込むよう呼びかけ、「より標準的な伸びになる時期が来る」と述べた。第3・四半期の増益率は47%と、第1・四半期(120%)や第2・四半期(99%)を大きく下回った。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら