インテル日本法人社長に元ソニー幹部が就任 「ソニーモバイル」を率いてきた鈴木国正氏

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その方針転換に伴い、“スマホで攻める路線”を推し進めてきた鈴木氏は映像・音楽コンテンツのライセンス管理を行う米ソニー・エンターテインメント社長に異動。直近の異動で帰国し、ソニー生命に籍を移していたことから、次の人事が注目されていたところだった。

インテルにおける日本法人の役割は多彩だ。東芝、NEC、富士通などの日本メーカーが個人向けパソコン開発に取り組んでいた時代は終わったものの、企業向けパソコンやサーバーについては、なおも日本メーカーは積極的に製造に取り組んでいる。こうしたメーカー向けのチップセット販売がインテル日本法人の根幹事業だ。

残念ながら、スマートフォン、タブレット向けの事業は育たなかった。しかし、近年はIoT向けソリューションに力を入れるなど“脱パソコン”を目指している。

鈴木氏は「インテルはパソコン中心のビジネスモデルから、(クラウドやAIなど)データ処理中心の事業モデルへ変貌を遂げる道半ば。エンターテインメント向けクラウドサービス、モバイル端末事業の立ち上げなど、ソニーで幅広く経験した事業経験、事業環境が変化する中でどう生き残り、成長していくか、過去の経験を活かして社内のベクトルをひとつの方向へとまとめ上げていきたい」と社長就任の抱負を語る。

懸念される「インテル製プロセッサ」の供給不足

直近の業績は好調だ。成熟が進んでいるパソコン市場だが、近年はサーバー向けの旺盛な需要に加え、ゲーミングパソコンの成長、企業向けパソコンの安定した需要などに支えられ、インテルは緩やかな成長軌道を取り戻しつつある。ガートナーによれば、2018年4~6月期のパソコン出荷台数は前年同期比1.4%増の6210万台となり、約6年ぶりに四半期ベースでプラス成長に転じた。

こうした需要増からインテル製プロセッサの供給不足が懸念されており、台湾、中国メーカーはもちろん、日系パソコンメーカーからも調達不足の可能性を指摘する声が出始めている。

鈴木氏は「供給問題は短期的な問題だと捉えているが、これを乗り越えて継続的な成長のため、顧客やパートナーとの豊かな議論を深めていきたい」と話す。いうまでもなくソニーは半導体を大量に購入する会社だ。そこでの経験が生かされることになりそうだ。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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